前戦ブラジルGPは、角田裕毅(アルファタウリ)にとって忘れたくなるような一戦だった。初日から抱えていたグリップ不足を解消できないまま、レースでも浮上のきっかけをつかめず、完走したマシンの中で最下位となる17位でフィニッシュした。

 失速の原因はその後、つかめたのだろうか? アブダビで角田は次のように説明した。

「モノコック以外、ほとんどすべてのパーツを変えたので、クルマはかなり改善されています」

 またチーフレースエンジニアによれば、ブラジルGPの失速の原因はマシンだけでなく、ブラジルGPの週末の天候にあったと言う。「想定していたよりも路面温度が高くなりすぎて、タイヤがオーバーヒートしていたようだ」と説明したうえで、アブダビGPに向けて次のように抱負を語った。

「アブダビの予選は日没後、レースもスタート直後に日没となり、路面温度がブラジルGPのように50度を超えることはないので、同じような問題には直面しないだろう」

 そして、シーズン最終戦に向けた目標を次のように語った。

「ハースより3点多くポイントを獲る」

 ブラジルGPを終えた段階で、コンストラクターズ選手権はランキング8位のハースが37点で、9位のアルファタウリとの差は2点に広がったからだ。最終戦を終えて同点の場合、F1では上位入賞回数の多いほうが上となる。どちらも今シーズンの最高位は5位が1回だが、その次に上位の成績を収めているのは6位入賞を果たしているハースのほうが上となるため、アルファタウリは同点ではなく、逆転したい。

 アルファタウリが3点以上を獲得したグランプリは、後半戦では第17戦イタリアGPの1回のみ。決して簡単なことではないが、アブダビGPは昨年角田が自己最高位となる4位、チームメートのピエール・ガスリーも5位を獲得した22点をもぎとったグランプリ。

 角田は言う。

「昨年よかったからといって、今年もいいとは限りません。期待を高く持ちすぎず、まずは予選でQ3を目指すという明確な目標を掲げながらフリー走行と予選を走り、レースではポイントを獲得したいです」

 しかし、初日のアルファタウリのポジションは角田が15番手で、チームメートのピエール・ガスリーも19番手と出遅れた。

「8位を狙いたいんですけど、いまのところ少し厳しいので、何が不足しているのかきちんと調べて、できる限り上位とのギャップを詰めていきたい」

 角田はそう語って、エンジニアとのミーティングに向かった。