11月27日、三重県の鈴鹿サーキットでENEOSスーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankookの最終戦となる第7戦『SUZUKA S耐』の決勝が行われ、ST-Xクラスの16号車ポルシェセンター岡崎 911 GT3R(永井宏明/上村優太/伊藤大輔)が総合優勝を飾った。

 そして各クラスのシリーズチャンピオンも決定し、ST-Xは62号車HELM MOTORSPORTS GTR GT3(鳥羽豊/平木湧也/平木玲次)、ST-1は2号車シンティアム アップル KTM(IDA TAIYO/加藤寛規/高橋一穂/吉本大樹)、ST-2は225号車KTMS GR YARIS(平良響/荒川麟/奥住慈英)、ST-3は39号車エアバスターWINMAX RC350 55ガレージ TWS(冨林勇佑/伊藤鷹志/石井宏尚)、ST-4は86号車TOM'S SPIRIT GR86(河野駿佑/松井孝允/山下健太)、ST-5は4号車THE BRIDE FIT(岡田拓二/伊藤裕士/石澤浩紀/いとうりな)となっている。

 3月に鈴鹿サーキットで開幕した2022年のスーパー耐久は、富士スピードウェイ、スポーツランドSUGO、オートポリス、モビリティリゾートもてぎ、岡山国際サーキットと転戦し、ふたたび開幕戦の舞台である鈴鹿サーキットでの最終戦を迎えた。

 今回の第7戦は全クラス参加の5時間レースとなり、朝から晴れ空となった鈴鹿サーキットを舞台に、気温16度、湿度52%のなかスケジュールどおりの10時45分にフォーメーションラップが開始され、隊列が1周を終えてホームストレートに戻ってくると、グリーンシグナルでレースがスタート。

 1〜2コーナーでは5時間レースのオープニングらしく各マシンともクリーンな出だしを切ったものの、逆バンクで6番手スタートの81号車DAISHIN GT3 GT-Rとグリッド降格で11番手スタートとなった23号車TKRI松永建設AMG GT3が接触、81号車がグラベルにスタックしてしまう。

 そして日立Astemoシケインではポールスタートから3番手に順位を落としていた62号車HELM MOTORSPORTS GTR GT3と4番手の16号車ポルシェセンター岡崎 911 GT3Rが接触してしまい16号車がスピン。この間にST-Xのトップには31号車DENSO LEXUS RC F GT3が浮上するなか、1周目完了と同時にフルコースイエロー(FCY)が導入されるという荒れた展開に。

 FCY解除後にはチャンピオンを争う62号車と888号車Grid Motorsport AMG GT3がバトルを繰り広げ、6周目のダンロップコーナーで888号車が62号車をオーバーテイクして前に出ていく。また12周目には2番手の777号車D'station Vantage GT3がトップの31号車をかわして先頭に立つ。17周目にはST-5の50号車LOVEDRIVE ロードスターが130R進入のイン側にマシンを止めてしまったため2度目のFCYが導入され、FCYはその後セーフティカー(SC)に切り替えられた。

 SC解除となり20周目にレースが再開されるも、その直後にはST-3でチャンピオンを争う52号車埼玉トヨペット GB クラウン RSがバックストレートでエンジンが停止するトラブルによりマシンを止めてしまい3度目のFCYが導入。52号車の回収完了後、26周目から残り3時間47分で再びグリーンフラッグが振られる。

 しかしアクシデントは続き、再開直後にST-5の222号車Honda Cars Tokai J-net FITが130Rイン側のバリアにクラッシュを喫してしまい、レース開始から1時間30分が経過しないなかで4度目のFCYとなり、このFCYもその後SCに切り替えられた。

 レースが再開されると、31号車と16号車によるトップ争い、888号車と62号車による3番手争いが繰り広げられ、37周目のバックストレートで62号車が888号車をオーバーテイクして3番手へ浮上。一方のトップ争いはストレートスピードの速いレクサスRC F GT3対コーナーが速いポルシェ911 GT3Rという一進一退のバトルが続くも、48周目のバックストレートでインを取った16号車が前に出ていく。

 そして残り2時間5分、それまでの波乱が嘘だったかのように何事もなくレースが進んでいたが、ST-Xの3番手を走行していた777号車の右リヤタイヤが2コーナー進入でパンクチャーに見舞われてしまう。777号車はこのアクシデントで戦線離脱、コース上へのパーツ落下もあることから再びFCY導入となった。

 レース再開後も大きなアクシデントなくレースが進んでいたが、残り1時間17分というというところでST-3の15号車岡部自動車フェアレディZ34とST-TCRの75号車Team Noah HONDA CIVIC TCRが接触によりS字コーナーでマシンストップ、この日6度目のFCYが導入された。

 レースは残り1時間を切りST-Xの各マシンは最後のピットストップを行っていく。このピットを終えても16号車のトップは変わらず、2番手は62号車というオーダーで最後の30分へと突入していく。しかしレース残り15分というところでST-5の290号車AutoLabo/T&I Racing 素ヤリスがストップしてしまい7度目のFCYに。

 レースは残り12分30分でリスタート。ST-Xトップ2の順位は変わらず、16号車ポルシェセンター岡崎 911 GT3Rがトップチェッカーを受け前戦の岡山から2連勝を達成。そして2位フィニッシュの62号車HELM MOTORSPORTS GTR GT3が4位フィニッシュの888号車Grid Motorsport AMG GT3をランキングで逆転してST-X参戦初年度で初のシリーズチャンピオンに輝いている。

■他クラスもドラマ満載。随所で最終戦らしいバトルが繰り広げられる

 ST-Zはクラス2番手スタートの310号車HIRIX★EIKO GT4がポールの22号車Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RSをかわしてトップに立つも、13周目には21号車Hitotsuyama Audi R8 LMS GT4が310号車をオーバーテイクしていく。しかし21号車はFCY解除後にスピンを喫してしまったため後退、再び310号車がクラストップに立つ。

 その後はドライバー登録規則によるペナルティストップ60秒を行った22号車がFCYやSCの荒れた展開でポジションを取り戻しクラストップに再浮上してくる。22号車は最終スティントで885号車シェイドレーシング GR SUPRA GT4の先行を許すも、残り24分で再びオーバーテイクに成功し、そのままクラストップで今季初優勝を飾った。

 ST-TCRはスタートで75号車Team Noah HONDA CIVIC TCRがクラスポールの97号車Racer HFDP CIVICをかわす。しかし1度目のピットイン後には97号車が再び75号車の前に出ると、75号車のリタイアもあり、97号車Racer HFDP CIVICがポール・トゥ・ウインでクラス優勝を飾っている。なお、ST-TCRのチャンピオンはすでに75号車に決定済みだ。

 メーカーの開発車両が参戦するST-Qでは、3号車ENDLESS AMG GT4はクラストップから快走をみせST-1に食い込む総合10位でフィニッシュ。244号車ニッサンZ Racing Conceptは予選後にエンジン交換というトラブルもありながらも、決勝ではST-Zに迫る速さを披露してクラス2位、総合でも15位で完走を果たしている。

 28号車ORC ROOKIE GR86 CNF Conceptと61号車Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptが序盤から1秒以内のバトルを繰り広げる。しかし61号車は12周目に2コーナー立ち上がりでスローダウンしてしまい、コースサイドにマシンを止めてしまいリタイアとなってしまう。28号車はクラス3位で完走している。

 32号車ORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptは7周目に1度目の水素補給を行うためにピットイン、その後も順調な走りを披露して最終スティント担当のMORIZOが僚友28号車とともにランデブーでチェッカーを受け、クラス4位でフィニッシュした。

 55号車MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptは予選でA、Bドライバーのタイムを記録できなかったため全車の最後尾からスタートを切る。しかしレース途中にミッショントラブルが発生してしまい長時間をピットで過ごすことに。その後にはチェッカーを受けるために再走行を行った。

 こちらも接戦が繰り広げられているST-1は、クラスポールの2号車シンティアム アップル KTMがスタートから先頭をキープ。序盤は38号車muta Racing GR SUPRAがテール・トゥ・ノーズに迫るも、47号車D'station Vantage GT8Rが38号車をかわして2番手に浮上してくる。

 47号車は1度目のSC導入の際にピットインしてドライバー交代を行う作戦を採り、レース終盤に2号車を逆転してクラストップに立つ。しかし、2号車も最後のピットストップでベテラン加藤寛規に交代すると猛烈な勢いで47号車の織戸学を追いかける。

 1周4秒速いペースで激走を続けていた2号車だったが、ピットレーン速度違反でのドライブスルーペナルティを科されてしまい万事休す。かと思われたが47号車は燃料が足りずに残り10分で燃料補給のためにピットインを余儀なくされ、この間に2号車が47号車の前に出る。これでクラストップに立った2号車が第7戦の優勝とシリーズチャンピオンに輝いている。

 ST-2は2番手スタートの6号車新菱オート☆夢住まい館☆DXL☆EVO10がクラスポールの僚友でもある7号車新菱オート☆DIXEL☆EVO10をかわして先頭に。その後方3番手にはデビューレースの743号車Honda R&D Challenge FL5が続く。

 しかしシンリョウレーシングチームのランサーエボリューション2台はレース終盤までに順位を落としてしまい、変わってST-2の先頭に立ったのは今季速さをみせる225号車KTMS GR YARISとなり、そのまま今シーズン5勝目を飾るとともに、チャンピオンを獲得した。

 2位にはデビューレースながら安定した走りと速さをみせた743号車の新型シビック・タイプRが初表彰台に上がり、3位には59号車DAMD MOTUL ED WRX STIが続いている。

 ST-3はクラスポールの63号車TRACYSPORTS RC 350 TWSがスタートでも先頭をキープ。2番手には52号車埼玉トヨペット GB クラウン RSが続き、3番手には15号車岡部自動車フェアレディZ34というオーダーでレースが進んでいく。

 そんななか、快調に2番手を走行していた52号車だったが22周目にバックストレートでエンジンが停止してしまうトラブルによりマシンを止めてしまう。52号車は再走行することが叶わずにリタイアとなるものの、ランキング2位の39号車エアバスターWINMAX RC350 55ガレージ TWSがレースでも2位にならなければリタイアでもシリーズチャンピオンを決められる。

 ライバルである39号車も懸命なレース運びをみせて3番手まで順位を上げてくるが、あと一歩が届かない。しかし、残り1時間弱で2番手を走行していた15号車がS字での接触でリタイアとなったため、39号車が2番手に浮上することに。その後もフィニッシュまで安定した走りをみせた39号車が2位チェッカーで逆転チャンピオンに輝いた。なお、レースは63号車が前戦岡山からの2連勝を達成している。

 スタートからクラスポールの86号車TOM'S SPIRIT GR86を先頭に、884号車シェイドレーシングGR86が2番手に続くレースとなったST-4。86号車はその後も盤石なレース運びと速さを披露してクラストップフィニッシュ、そのままチャンピオンも獲得する結果になった。2位には884号車、3位には60号車全薬工業withTEAM G/MOTION’ GR86が続いている。

 大激戦のST-5は、スタート後は65号車odula TONE HERO’Sロードスターと66号車odula TONE MOTULロードスターがワン・ツーでレースが進むも、各マシンが1度目のピットインを行った後には66号車がトップに浮上してくる。

 チャンピオン争いはポイントリーダーの72号車OHLINS Roadster NATSが32周目にウォーターポンプのベルトが切れてしまうというトラブルが発生してしまいスローダウン、修復のために緊急ピットインを余儀なくされてしまう。

 レース終盤には72号車の脱落に寄ってチャンピオンを争う4号車THE BRIDE FITと17号車DXLアラゴスタNOPROデミオの争いが激化し、前に出たマシンがチャンピオンというバトルが続く。

 そんななかトップを走行していた66号車が最終ラップに入りトップチェッカーを受けようとした瞬間にまさかのスローダウンを喫してしまう。これで2番手だった4号車が逆転でクラス優勝とチームBRIDE初のチャンピオンを獲得する結果になっている。