フェルナンド・アロンソは、F1においてチームメイトとして最も付き合いやすい人物のひとりというわけではない。しかし、マクラーレンでパートナーだったストフェル・バンドーンは、彼と「素晴らしい関係を築けている」と話した。

 バンドーンは2015年にGP2で圧倒的な勝利を収め、マクラーレンにリザーブドライバーとして加入した。そして2016年のバーレーンGPに、前戦の大クラッシュで怪我を負い欠場を余儀なくされたアロンソの代役で出場した。

 ジェンソン・バトンの引退後、2017年にバンドーンはアロンソのチームメイトになったが、チームにとってはホンダとのエンジン提携が齟齬をきたしている深刻な時期だった。チームの誰にとってもストレスの多い時期であり、アロンソは与えられた機材に大いに不満を持っていた。しかしこのような緊迫した状況のなかでも、アロンソは一緒に仕事をするのに最高の人物だったとバンドーンは主張した。

「F1で僕がチームメイトになったのはジェンソン・バトンとフェルナンド・アロンソだけだが、ふたりとも世界チャンピオンだし、フェルナンドは2度のチャンピオンだ」とバンドーンは今週『Mirror Sport』に語った。

「若手ドライバーにとって、経験豊富なドライバーのそばで仕事をするのはいつだって素晴らしいことだ。彼らがレースウイークにどのようにアプローチしてまとめあげるか、オープンマインドで見なければならない。フェルナンドはそうするのに最高のひとりだ。彼とは素晴らしい関係を築けている」

 アロンソと彼のチームメイトたちとの関係は常にそうはいかなかった。アロンソが2007年にマクラーレンでチームメイトになったルイス・ハミルトンとの波乱に満ちた関係はF1の伝説となっている。またフェリペ・マッサはかつて、フェラーリ時代にアロンソがチームを「分裂」させたと非難したことがある。最近では、アルピーヌでエステバン・オコンとの関係に大きな軋轢が生じたことが公になった。

 バンドーンとアロンソのコラボレーションは、アロンソがF1を離れて耐久レースへ移ることを選んだため、2018年に終わった。しかしアロンソは2021年にF1に復帰し、今年はアストンマーティンからF1に参戦する。

 バンドーンはF1のシートを失ったあとフォーミュラEにメルセデスから参戦し、2021/22年シーズンにタイトルを獲得した。その後メルセデスはシリーズから撤退し、チームはマクラーレンによって引き継がれた。しかしバンドーンはDSペンスキーに移籍して、レース参戦とアストンマーティンF1でのテスト兼リザーブドライバーとしての役割を並行してこなしていく。

「アストンマーティンに加わってまったく違う旅ができることに興奮した」とバンドーンは述べた。

「チームは将来に向けて多くの投資を行い、トップチームのひとつになろうとしている。僕にとって、今それに向けたマシン開発の手助けができることは、素晴らしいことなんだ。彼らがすぐにも優勝を狙えるチームになるよう役に立てたらと願っている」

 この決断は、バンドーンが2023年にまたアロンソの代役を務める可能性があるということだ。もしくはランス・ストロールの代役かもしれないが、チームのフルタイムドライバーのうち、どちらかが何らかの理由で欠場する場合には代役を務めることになる。

 そしてそのことは、バンドーンがもはやメルセデスの傘下にいないことを意味する。彼は2020年からメルセデスのリザーブドライバーを務めてきた。

「この2年はメルセデスのリザーブドライバーを務めていた。でも(アストンマーティンに入るのは)自然な変化だった」

 メルセデスにおけるバンドーンのかつてのポジションには、現在はミック・シューマッハーがついている。シューマッハーは、ハースから43戦に出走したが、2022年末にハースのシートを失った。