WRCメキシコ初日はタナクが制す、古都グアナファトで連続ベスト。勝田は4.1秒差の9番手
2020年以来、3年ぶりにWRCカレンダーに復帰したラリー・メキシコの幕が上がった。16日(木)から19日(日)の4日間、全23本のSSで争われる今戦は2023年シーズン最初に行われるグラベル(未舗装路)ラリーだ。
低酸素状態となる標高2000m地帯で行われるこのイベントは、各車のエンジンやマシンを操るクルーにとって“挑戦”となる。また、30℃前後まで上昇する日中の最高気温もラリーのコンディションをより過酷なものとする要因のひとつだ。
そんなチャレンジングな一戦において、まず先手を取ったのは、今戦とは対照的に白銀の世界で行われた第2戦スウェーデンで優勝し、ランキングトップで中米ラウンドに乗り込んできたタナクだった。16日朝に行われたシェイクダウンでは7番手に留まったMスポーツ・フォードのエースは、有名な地下通路をコースの一部に使用する“ストリートステージGTO”の1本目、SS1でベストタイムを記録すると再走ステージのSS2でも最速タイムをマーク。僅差ながら連続ステージウインを飾り、ラリー初日を総合首位で終えてみせた。
総合2番手は現ワールドチャンピオンのカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)でタイム差は1.7秒。シェイクダウンでトップタイのタイムを出した22歳のフィンランド人はSS1、SS2ともにステージ2番手タイムを記録し、トップのタナクに肉薄している。総合3番手となったエサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)もシェイクダウン首位の勢いをそのままに、ステージ3番手と同2番手タイで初日のステージを走破。トップとのギャップは2.8秒だ。
ラッピから0.6秒後方ではチームメイトのティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)と、前回大会の覇者でメキシコ戦連覇を狙うセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合4番手タイで並ぶ。エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)が3.3秒差の総合6番手、コンマ1秒遅れてダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)が7番手につけた。
ともにラリー・メキシコ初参戦のピエール-ルイ・ルーベ(ヒョンデi20 Nラリー1)と勝田は、総合8番手と同9番手に。トップとのタイム差は前者が3.7秒、後者は4.1秒だ。トップ10リザルト最後のスロットには、WRC2トップにつけた王者エミル・リンドホルム(シュコダ・ファビアRSラリー2)が入っている。
本格的なグラベルラリーがスタートする17日(金)は、全長31.61kmのSS3/SS6“エル・ショコラテ”を含む計8本のステージを走行する。このうち最後の2本(SS9、SS10)は異なる場所で行われるスーパーSSとなっている。