「この順位を最後まで守りきりたい」とラトバラ代表。トヨタ、オジエとエバンスが1-2築く/WRC第3戦
また、僚友のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合2番手となり、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)も総合4番手に順位を上げた。前日にデイリタイアを喫した勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は競技3日目に再出走を果たし、総合25番手につけてる。
第3戦メキシコの競技3日目となった18日(土)は、レオン近郊のシエラ・デ・ロボス山脈を中心に計9本、合計126.86kmのステージを走行する予定だった。しかし、そのうちSS11の再走ステージであるSS15はステージキャンセルとなったため、都合8本のSSで争われている。
デイ2と同じく青空が広がりドライコンディションとなったこの日、首位エサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)とわずか5.3秒差の総合2番手につけたオジエは、オープニングのSS11でベストタイムを記録してみせる。一方、ラッピは同ステージでクラッシュを喫しリタイアに。見る者を楽しませた両者のトップ争いは突然に終了を迎えてしまった。
ラリーの新しいリーダーとなったオジエはその後も好ペースを維持。午後のSS16ではステージ2番手に8.1秒差をつけてステージ優勝を飾り、首位の座を一日の最後まで守り通した。
総合3番手でデイ3を開始したエバンスは、SS11で総合2番手にポジションアップを果たす。彼は総合3番手につけるティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)に差を縮めながらも、ステージ2番手タイムを3回記録するなど速さを示し、最終的に首位のオジエと35.8秒差、3番手のヌービルとは4.3秒差で総合2番手の座を守っている。
前日のデイ2では、後続車と比べて不利になる早い出走順だったにもかかわらず総合5番手につけたロバンペラは、この日もトップ3争いをする選手たちよりは出走順が早く、滑りやすい路面コンディションでの走行を強いられた。首位を走るオジエとは1分34秒と差が開いたが、現王者はこの先のチャンピオンシップ争いを見据え、できるだけ多くのポイントを獲得すべく明日の最終日に臨む。
「我々にとって本当にいい一日だった。ドライバーたちは素晴らしい仕事をしてくれているし、クルマも好調だ」と語るのは、TGR WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表。
「今朝、エサペッカ(・ラッピ)に起きてしまったことについては、非常に残念に思う。昨日、彼はとてもいい走りをしていて、セブ(セバスチャン・オジエ)とエキサイティングなバトルを繰り広げていた」
■ラリー最終日は、今大会最長の新ステージが待ち受ける
ラトバラ代表は、自身が率いるチームがワン・ツー体制を築いている現在においても緊張を緩めず、「戦いは終わっていない」と述べた。
「セブはこのラリーが大好きで、このイベントの主であることを示し、ミスのないクリーンなドライビングで戦い続ける必要があることを理解している。なぜなら、このラリーでアグレッシブなアプローチは、必ずしも得策ではないからだ」
「SS16でのライバルとのタイム差は、最近のWRCではあまり見られないようなすごいものだった。それでも、戦いはまだ終わっていない」
「明日は非常に長く、難しい“オタテス”のステージが待ちかまえている。また、(ティエリー・)ヌービルはエルフィンの後ろで激しくプッシュしている」
「我々はこのワン・ツー体制を最後まで守りきり、カッレも多くのポイントを獲得することを願っている」
競技最終日となる19日(日)はSS20からSS23まで計4本の異なるステージを走行する。この内SS21“オタテス”の全長は35.63kmで、今大会最長のステージだ。最終SS23“エル・ブリンコ”は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスポイントが与えられるパワーステージとなっている。デイ4のSS合計距離は61.53km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は154.01kmに上る。