WEC世界耐久選手権にエントリーするプロジェクト1・AOは、4月28日に行われた予選でPJ.ハイエットが大クラッシュを起こしてマシンが損傷したため、第3戦スパから撤退すると発表した。

 56号車ポルシェ911 RSR-19をドライブしたアメリカ籍のブロンズドライバーであるハイエットは、ベルギーのスパ・フランコルシャンサーキットで行われたLMGTEアマの予選セッション中にコントロールを失い、ラディヨン右側のタイヤバリアへクラッシュ。マシンの右フロントを中心に大きなダメージを負った。

 ハイエットはサーキットのメディカルセンターに運ばれて検査を受けたのち、背中の痛みのため、チームメイトのグンナー・ジャネットに付き添われて地元の病院へと向かい、さらなる検査を受けた。

 ハイエットとジャネットは、今季のWECでマッテオ・カイローリと56号車ポルシェをシェアしている。

 チーム代表のアクセル・ファンケは、ハイエットが退院したことを明らかにするとともに、56号車ポルシェのシャシーの損傷が激しく、レースに出場できないことを明らかにした。

「もちろん、PJの容態はとても心配だった。衝撃はかなり激しかった」とファンケはチームの声明のなかで述べている。

「彼はル・マンまでに再び最高の状態に戻るものと想定している。我々は彼のスピードについて知っており、彼、グンナー、マッテオ、そしてチームと一緒に勝つことができるだろう。 彼がすでに快方に向かっていることは幸いだ」

 今季AOレーシングで戦うハイエットとジャネットのアメリカ人コンビは、開幕戦セブリングで12位となった後、第2戦ポルティマオはIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権とのバッティングにより欠場していた。

 スパでのアクシデントの要因について尋ねられたファンケは、今年のWECの新ルールであるタイヤウォーマーの禁止が原因であるという考えを否定した。

「彼は最後のセクターと、その前のラップでも紫(セクターベスト)をマークしていた」とファンケ。

「我々は分析をしているところだ。タイヤが冷えていたわけではないんだ」