4月29日、2023年MotoGP第4戦スペインGPのスプリントレースがヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで行われ、予選でポールポジションを獲得したのはアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)で、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は11番手だった。

 スプリントではブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)が優勝、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が2位、ジャック・ミラー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)が3位を獲得して、中上は転倒リタイアとなった。

 午前には30分の土曜フリー走行はドライコンディションで、全車が周回を重ねるなか猫がコース上に飛び出すこともあったが事故はなかった。後にホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)、11コーナーでアレイシ・エスパルガロの転倒があったが、ミゲール・オリベイラ(クリプトデータRNF・MotoGPチーム)がトップタイムで終了した。

 続けて予選が気温22度、路面温度28度のなか各15分で行われた。Q1には前年度王者のバニャイア、前回大会で優勝したアレックス・リンス(LCRホンダ・カストロール)などの顔ぶれもあったが、Q2に進出したのがバニャイアとビンダーだった。

 Q2では、最終ラップにアレイシ・エスパルガロが1分37秒216でポールポジションを獲得。ミラー、マルティンがフロントロウに並んだ。

 ドライコンディションのまま、気温30度、路面温度50度で午後に迎えた12周のスプリントレース。ホールショットはミラーが奪い、ビンダーが2番手に続きKTMがワン・ツー。ポールスタートのアレイシ・エスパルガロは3番手となる。

 2コーナーの出口でモルビデリがアレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)に接触して両者が転倒。そのマシンにマルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)が乗ってクラッシュし、アウグスト・フェルナンデス(GASGASファクトリー・レーシング・テック3)も転倒を喫した。

 また、バニャイアがアレイシ・エスパルガロをかわして3番手に浮上して、1周を終えることなく赤旗中断となった。レースは1ラップ減算の11周で、オリジナルグリッドで再開されることになったため、マシンを壊したライダーも出場することが可能な状況だ。

■KTMが大活躍のスプリント

 再開後のレースでは全車がグリッドに着くことができ、ビンダーがホールショットを奪った。2番手からミラー、マルティン、バニャイア、アレイシ・エスパルガロと続く。

 オープニングラップでマルティンはミラーをかわすが、2周目にミラーが奪い返し、すかさずマルティンもミラーを追い、2番手争いが激しくなった。そんななかでバニャイアが3番手を奪い、マルティンは4番手に下がった。

 2周目はワイルドカード参戦のダニ・ペドロサ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)がファステストラップを記録。4周目に入る直前ではミラーが首位に立った。4周目にはアレックス・マルケス、中上が転倒した。

 6周目に5番手を走るアレイシ・エスパルガロが9コーナーでスリップダウン。ジョアン・ミル(レプソル・ホンダ・チーム)も転倒して再スタートを切ったが、その後リタイヤとなった。8周目には6番手のペドロサが5番手のミゲール・オリベイラ(クリプトデータRNF・MotoGPチーム)をかわすが、すぐに抜き返される。

 9周目にはビンダーがブレーキで突っ込んで首位のミラーをかわそうとするがミス。KTMの2台の争いも見られ、10周目にも同様の光景が見られてビンダーがトップに立った。

 ファイナルラップではビンダーが逃げきって優勝。ドゥカティのバニャイアが2番手を奪い、ミラーが3番手でKTMがダブル表彰台を飾った。マルティン、オリベイラ、そしてペドロサが6番手に入っている。マーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング)、ヨハン・ザルコ(プリマ・プラマック・レーシング)、ベゼッチまでがポイントを獲得した。