4月29日、2023年MotoGP第4戦スペインGP MotoGPクラスの予選がスペインのヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで行われ、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は11番手を獲得し、スプリントレースはリタイアで終えている。

 初日のP1で好調な走り出しを見せていた中上は、2日目の土曜フリー走行でも引き続き好調さを発揮した。序盤のわずか3周目、1分37秒524をマークしてトップに立つ。その後さらにタイムを縮めることは叶わなかったが、5番手で終えて予選Q2に備えた。

 そして、予選Q2は時折雨がぱらつき、スリックタイヤで走るライダーがほとんどだったが、難しいコンディションとなった。フロントにミディアム、リヤにソフトタイヤを履いて挑んだ中上は、周回を重ねるごとにタイムを更新していく。一時3番手に浮上したが、そのあと多くのライダーがタイムを更新したことにより、11番手にとどまった。

 午後のプリントレースは気温30度、路面温度55度とともに上昇し、タイヤに厳しいコンディションのなかでスタートした。しかし、スタート直後に4台が絡むクラッシュが発生し、赤旗中断となった。その後オリジナルグリッド全車がグリッドに付き、1周減算の11周でリスタートし、中上は12番手でオープニングラップを終える。

 前日からリヤのトラクション不足に悩まされていた中上は、必死に食らいついて周回を重ねていき、11番手にポジションを上げる。しかし、4周目の9コーナーでリヤが切れ込んで転倒を喫してしまい、そのままリタイアとなった。

 中上自身、得意としているサーキットでもあることから、悔しさが残る結果となってしまった。しかし、日曜日の決勝レースではスプリントレースでの雪辱を果たすべく、シングルフィニッシュとポイント獲得に挑む。

■LCRホンダ・イデミツ
中上貴晶(予選:11番手、スプリントレース:リタイア)
「転倒リタイアに終わり、とても残念です。今日はトップ5か6になれるだけのポテンシャルがあったと思います。しかし、予選Q2は開始直後から難しいコンディションになり、特にセッション前半は厳しいコンディションでした。セッション後半の5〜6分は完全にドライになりましたが、タイヤを交換しないで走り続けたことで思うようにタイムを上げられませんでした」

「しかし、終盤は3番手までポジションを上げられたし、タイヤ交換をしない判断は悪くなかったと思います。今日は予選のときだけ不安定な天候になりました。みんな同じ条件ですが、午前中の涼しい気温のアドバンテージを活かせず残念でした。スプリントの転倒は9コーナーでした。自分でもどうして転んだのかわからない不可解な転倒でした。明日も同じような天候なら、フロントにハードタイヤを選択しようと思います」