2023年F1マイアミGP決勝で、レッドブルのマックス・フェルスタッペンは9番グリッドから今季3勝目を挙げた。

 予選Q3で、自らのミスと赤旗の影響でタイムを記録できなかったフェルスタッペンは、9番グリッドとなり、ハードタイヤでスタート。圧倒的な速さを発揮し、余裕で他車をオーバーテイク、15周目にはチームメイトのセルジオ・ペレスに続く2番手に浮上した。ミディアムタイヤスタートのペレスは20周目にタイヤ交換。トップに立ったフェルスタッペンは、ロングスティントを良いペースで走り切って45周目にピットインし、ペレスから約1秒後ろの位置でコースに復帰。わずか2周でペレスをオーバーテイクし、48周目に首位に立つと、ペレスに5.384秒差をつけて優勝した。

 さらにフェルスタッペンは57周のレースの56周目にファステストラップを記録し、追加の1ポイントを獲得。ドライバーズ選手権首位のフェルスタッペンは、前戦アゼルバイジャンで2位ペレスに6点差まで近づかれたが、マイアミでの勝利でその差を14点に拡大した。

 チーム代表クリスチャン・ホーナーは、ハードタイヤでのスタートについて、「マックスはハードタイヤでスタートしたが、この戦略にはリスクがあった」と語った。

「シミュレーターでは、ミディアム(スタート)より遅いレースになるという結果が出ていた。だが彼はチャンスを利用したいと言い、うまく機能させた。特に20周目から42周目はよかった。使い古したタイヤで見事なペースを発揮したのだ。チェコと同等、時にはそれより速いペースで走った」

■マックス・フェルスタッペン(オラクル・レッドブル・レーシング)
決勝=1位(57周/57周)
9番グリッド/タイヤ:ハード→ミディアム
ファステストラップ:1分29秒708(56周目)

 素晴らしい日だった。レース序盤はトラブルに巻き込まれることなく走り、スムーズなレースを進め、前のマシンを1台1台抜いていった。ハードタイヤでの(最初の)スティントをうまくやれたことが、今日の勝利において不可欠な要素だったと思う。

 チェコ(ペレス)とは終盤にいいバトルができた。僕には新しいタイヤを履いていたことによるアドバンテージがあった。ああいうバトルこそ、僕たちが見たいものだと思う。僕たちは自由にレースができるんだ。

 昨日はつまずきがあったが、今日は冷静にクリーンな状態を保った。9番手から優勝できたことにとても満足している。

(自身の公式サイトに対して、ハードタイヤでスタートする戦略について語り)ミディアムタイヤがどうなるのか、分からなかった。論理的に考えれば、フルタンクで路面温度が高い状態では、ハードタイヤの方が耐久性が優れているはずだ。特にトラフィックの中を走る場合はね。その後、クリーンエアのなかで走るようになっても、ペースを維持することができた。とてもうまくいったと思う。