ル・マン24時間レースで4度のクラス優勝を誇るヤン・マグヌッセンは、LMP2チームのインターユーロポル・コンペティションから、100周年を迎える2023年のル・マンに出場することとなった。

 49歳のデンマーク人は、ポーランド国籍のスポーツカーチームであるインターユーロポルの32号車オレカ07・ギブソンを、アンデルス・フィヨルドバッハ、マーク・クワンメとともにドライブする予定だ。

 インターユーロポル・コンペティションは、ル・マンでは2台のオレカを走らせることが決定済み。LMP2クラスに投入される32号車の姉妹車はWEC世界耐久選手権にフル参戦している34号車で、アルベルト・コスタ、ファビオ・シェーラー、ヤクブ・スミエコウスキーの3名が引き続き同車のステアリングを握る。

■「もう二度と来ない」はずだったが……

 元コルベット・レーシングのエースであるマグヌッセンは、今年で24回目のル・マン参戦となり、LMP2カテゴリーでは2回目の出場となる予定だ。

 前回のプロトタイプカーでの挑戦は2021年。このときは息子でハースF1のドライバーであるケビンと、同じくデンマーク人ドライバーのフィヨルドバッハとのトリオで、ハイクラス・レーシングのオレカ07をドライブした。

 昨年、マグヌッセンはホンダチームのGMBモータースポーツに所属しミシュラン・ル・マン・カップに参戦したほか、クワンメが新たに設立したMDKモータースポーツでもレースに参加し、ガルフ12時間やデイトナ24時間に出場している。

「世界最大のレースに参加する素晴らしい機会を与えてくれた、スポンサーのパークワンとニーディット・デンマークに最大の感謝をしている」とル・マン参戦の
喜びを語ったマグヌッセン。

「個人的には24回目のル・マン参戦となるため、特別な思いがある。1999年の初参戦のとき、僕が記者団に『もう二度と来ない』と言ったことを考えるとクレイジーだよね」

「その後フィニッシュラインを通過したときに、ピットウォールに立つクルーが疲れ果てて、汚れた姿になりながらもマシンの完走を喜んでいるのを見てすべてが変わったんだ」

「それ以来、僕のなかでル・マンは最高の瞬間であり、また次の挑戦のために戻ってこられたことをうれしく思っている」

「スタートまで数週間しかなく、テストや準備に使える時間は限られているが、強力なチームと長距離走行の経験が豊富なドライバーのラインアップが組まれているから、僕たちは楽観的にスタートできることを楽しみにしている」

 マグヌッセンのチームメイトであるクワンメは昨年、JMWモータースポーツのフェラーリ488 GTEエボでル・マンデビューを果たした。今回のプログラムでは2019年のデイトナ以来となるLMP2への復帰が決定している。

「ヤン(・マグヌッセン)とは、アメリカのMDKモータースポーツでの活動を通じて、すでにレーシングカーを共有する喜びを持っている」とクワンメは述べた。

「彼とはル・マンでの共同作業についてしばしば話してきたんだ」

「インターユーロポル・コンペティションで、ヤンとアンデルス(・フィヨルドバッハ)のような熟練した経験豊富なふたりのドライバーと並ぶことを光栄に思う。それと同時にル・マンでよく耳にするデンマーク(のファンによる)大きなサポートを体験することを楽しみにしているんだ!」