2023年F1マイアミGP決勝で、メルセデスのルイス・ハミルトンは6位、ジョージ・ラッセルは4位と、それぞれグリッドよりポジションを上げて入賞を果たした。

 ハミルトンは13番グリッドからハードタイヤでスタート、序盤はポジションを上げられず、トラフィックのなかで走行し続けたが、その後、2台を抜いて、ミディアムタイヤ勢のピットストップにより、6番手に。異なるタイヤ戦略で走行するチームメイト、ラッセルを前に出した後、37周目にミディアムに交換した。セカンドスティントは13番手からスタート、オーバーテイクを繰り返して54周目に6番手に上がり、その位置でフィニッシュした。

 ラッセルは、6番グリッドからミディアムタイヤでスタート、1周目に5番手にポジションを上げ、17周目にハードタイヤに交換。いったん12番手に落ちた後、ポジションを上げていき、37周目に4番手に浮上した。

 チームは、ハミルトンがラッセルにポジションを譲った行いについて「チームメイトを前に出すことで、前のグループにアタックする手助けをした」と述べている。トラックサイド・エンジニアリング・ディレクターのアンドリュー・ショブリンは、「ルイスがジョージを前に出して、前方のグループに挑戦させるという素晴らしいチームワークのおかげで、我々はパフォーマンスを最大限に活用し、可能な最大のポイントを獲得した」と語った。

 チーム代表トト・ウォルフは「ルイスとジョージが協力し合っているのを見るのはとてもうれしいことだ。彼らは素晴らしいドライバーであると同時に、非常に率直な関係を結んでいる。難しい時期にいる我々にとって、それはとても役に立つ」と述べている。

■ルイス・ハミルトン(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム)
決勝=6位(57周/57周)
13番グリッド/タイヤ:ハード→ミディアム

 いいレースだったよ。ポジションを上げることができてうれしい。土曜日には苦労したけれど、僕はいつだってネガティブなことをポジティブなことに変える努力をしている。

 13番グリッドから6位というのは悪くない結果だ。ポジションを上げていく過程はすごく楽しかった。何度かバトルをすることができて最高だったし、エンジョイしたよ。

 序盤はDRSトレインに引っかかってしまい、あまりうまくいかなかった。なかなかオーバーテイクできなかったんだ。チャンスを待った後、攻撃を開始した。今日のマシンはミディアムタイヤの時の方がはるかに好調で、レース中盤はマシンが生き生きしていた。

 チームがたくさんポイントを稼ぐことができた。スタッフ全員に心からお礼を言いたい。彼らは努力し続け、改善のために懸命に作業をしてくれている。今の僕たちは望む位置にはいないけれど、士気はとても高いんだ。



■ジョージ・ラッセル(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム)
決勝=4位(57周/57周)
6番グリッド/タイヤ:ミディアム→ハード

 満足いくレースができた。予選で苦労したため、今日は比較的通常の一日になったと感じた。実力で4位を獲得し、フェラーリ勢より前でフィニッシュすることができたので、これは僕たちにとって可能な最大限の結果といえる。

 カルロス(・サインツ)とのバトルはとても楽しかった。すごくいい動きを決めた。コース上はラインを外れるととてもダーティだったので、かなり大きな決意が必要だった。

 ルイスが僕を前に出してくれたことに感謝する。今日、僕たちは別の位置で戦っていたんだ。彼のおかげで自分のレースを続けることができた。僕たちは素晴らしい関係を築いている。チームのために最善であることだけを望み、それを目標に取り組んでいる。

 自分たちの今のポジションについては理解しているし、このマシンは今も運転しづらい。イモラでマシンにアップデートが入れられることを期待している。それによって世界が一変するようなことはないけれど、正しい方向に一歩踏み出せるといいよね。

 今日はポジティブなレースだったが、やるべきことが山ほどあるのは分かっている。レッドブルとのギャップを縮めるために、大きな改善を果たす必要があるんだ。