JRC全日本ラリー選手権の2023年シーズン第4戦『久万高原ラリー』が、5月5日(金)から7日(日)にかけて愛媛県上浮穴郡久万高原町を拠点に行われ、ヘイキ・コバライネン/北川紗衣組(AICELLOラックDL速心FABIA)が全8ステージで最速タイムをマークする完勝で今季3勝目を挙げた。

 2019年以来の有観客開催となった今戦は、サービスパークが置かれたハイランドパークみかわを中心に8つのスペシャルステージ(SS)が設定され、SS合計距離72.80kmで争われた。

 競技初日の6日(土)、最終日の7日(日)ともに雨模様となったターマック(舗装路)ラリーでは、ハーフウエットで行われたレグ1のオープニングからコバライネン組が頭ひとつ抜け出す展開に。第2戦新城から2連勝中のシリーズ王者は、完全なウエット路面となったSS2以降のステージでも勝田範彦(トヨタGRヤリス・ラリー2)や鎌田卓麻(スバルWRXラリーチャレンジ)といったライバルたちを退け、ステージごとに着実にリードを拡げていく。ラリーの折り返しとなるSS4終了時点では、2番手勝田との差が1分02秒5に。3番手鎌田とは1分12秒3となった。

 翌日のレグ2もコバライネン組の勢いは止まらず。オープニングのSS5を1.7秒差の僅差で制すと残る3つのステージでも、この日の4SSすべてでステージ2番手となった勝田を上回ってみせ“全ステージ優勝”の完全勝利を達成。シーズン3勝目を破竹の3連勝で飾っている。

 この久万高原ラリーでGRヤリス・ラリー2のデビュー3戦目を迎えた勝田は、全8SS中6本のSSでセカンドベスト刻む力走で2戦続けての2位表彰台を獲得。総合3位にはスバルの鎌田が入った。なお今戦の結果、鎌田はランキング首位から2位に後退し、コバライネン(69ポイント)を9ポイント差で追いかける立場となっている。

 総合4位はJN2クラスを制した山田啓介/山本祐也組(K1ソミック石川ルブロスYHGRヤリス)、総合5位にはシュコダ・ファビア・ラリー2エボを駆る福永修/齊田美早子組(アサヒ☆カナックOSAMU555ファビア)が入った。以下、奴田原文雄/東駿吾組(ADVAN カヤバ KTMS GRヤリス)、新井敏弘/保井隆宏組(スバルWRXラリーチャレンジ)、小濱勇希/竹下紀子組(MATEX-AQTECDLGRヤリス)が続くトップ8リザルトとなっている。

 JN2からJN6の各クラスウイナーは以下のとおりだ。

ClassDriver&Co-DriverCarTime総合優勝ヘイキ・コバライネン/北川紗衣AICELLOラックDL速心FABIA55'36.8総合2位勝田範彦/木村裕介GRヤリス・ラリー2+1'28.7総合3位鎌田卓麻/松本優一スバルWRXラリーチャレンジ+2'00.1JN2クラス山田啓介/山本祐也K1ソミック石川ルブロスYHGRヤリス57'59.7JN3クラス山本悠太/立久井和子SammyK-oneルブロスYHGR861h01'36.2JN4クラス東隆弥/藤澤進DLクスコRIGIDい〜ちゅ〜んスイフト1h02'31.4JN5クラス河本拓哉/有川大輔DL・CUSCO・WMTWROTSデミオ1h04'39.5JN6クラス天野智之/井上裕紀子豊田自動織機・DLアクアGR-SPORT1h06'11.0

 全日本ラリーの次戦はターマック4連戦の最後を締めくくる第5戦『YUHO RALLY TANGO supported by Nissin Mfg』だ。同イベントは6月9日(金)から11日(日)にかけて京都府京丹後市周辺で開催される。