5月14日(日)、WRC世界ラリー選手権第5戦『ラリー・ポルトガル』の競技最終日は、SS16〜19がポルトガル北部のマトジニョスを起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR WRT)のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が2年連続の優勝を果たした。

 12日(金)のデイ1でメカニカルトラブルに見舞われデイリタイアとなり、翌日に再出走を果たした勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、デイ2に引き続き最終日もラリーを走り切り総合33位でフィニッシュした。

 2023年シーズン第5戦ポルトガルの競技3日目は、マトジニョスのサービスパークを起点に4本のスペシャルステージ(SS)、合計距離55.42kmで争われた。デイ3も晴天に恵まれたため、路面コンディションはドライ。もうもうと土煙が立ちこめるグラベル(未舗装路)ステージで、最後の熱い戦いが繰り広げられた。

 前日のデイ2で、総合2番手につけるダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)に対して57.5秒という大きなリードを築いたロバンペラは、この日もペースを維持しオープニングのSS16で2番手タイムを、午前中の2本目“ファフェ1(SS17)”ではベストタイムを記録する。

 その再走ステージで、ボーナスの選手権ポイントが懸かる最終パワーステージ“ファフェ2”でもステージウインを飾ったロバンペラは、このポルトガルでシーズン初優勝を達成。優勝の25ポイントにボーナスの5ポイントを加えた“フルポイントマーク”の完勝でドライバー選手権首位に立ち、ランキング2位となったオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)に対し17ポイントのリードを築いた。なお、TGR WRTは今回の優勝により『ラリー・ポルトガル』における連勝記録を“4”に伸ばしている。

「ポルトガルで優勝することができて、本当にハッピーだ」と今シーズン4度目の勝利を喜んだヤリ-マティ・ラトバラ代表。

「金曜日は2台のクルマを失い1台でしか戦えなかったので、かなり厳しい状況だった。しかしカッレ(・ロバンペラ)は素晴らしいドライビングを見せ、最終的にはパワーステージも制し、圧巻の勝利を収めた」

「ここしばらく勝てていなかったとはいえ、カッレのパフォーマンスは一貫して高いレベルにあった。ただ、パズルの小さなピースが欠けていて、それがここで見つかったんだ」

「クルマへの自信、モチベーション、勝利への渇望という要素がすべてうまく噛み合った時、誰も彼を止めることはできない」

「また、金曜日のトラブルによって、本来のポテンシャルをすべて発揮することができなかったにもかかわらず、最後まで走りきった(勝田)貴元にも感謝したい。最終日の今日、彼はパワーステージで素晴らしい走りを見せ、マニュファクチャラー選手権に関しても追加でポイントを獲得してくれたんだ」

 チーム代表のコメントにもあるように、今大会で自身2度目のワークス参戦を果たした勝田は、前日のデイ2に続き不利な走行順1番手でステージを走行することとなった。それでも勝田は、オープニングのSS16で今大会初となるベストタイムを記録し、続くSS17で4番手タイム、そしてSS18で3番手タイムを刻むなど着実に調子を上げていく。

 迎えた最終のパワーステージでは4番手タイムをマーク。この結果ボーナスの2ポイントを獲得し、チームはロバンペラが獲得したポイントと合わせて、マニュファクチャラー選手権首位の座を守っている。