アメリカ・カリフォルニア州のウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカで5月14日に行われたIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第4戦『モチュール・コース・ドゥ・モントレー・パワード・バイ・ヒョンデN』を制したキャデラック・レーシング(チップ・ガナッシ・レーシング)01号車キャデラックVシリーズ.Rのセバスチャン・ブルデーは、このところ不運続きだったチームにとって、この勝利は必要なものだった、と振り返った。

 ブルデーとコンビを組むレンガー・バン・デル・ザンデは、残り41分のリスタートで31号車アクション・エクスプレス・レーシングのアレクサンダー・シムスをパス。レース終盤をコントロールし、キャデラックVシリーズ.Rにとっての今季2勝目と、CGRにとってのGTP初優勝を、ラグナ・セカで達成した。

 ブルデーとバン・デル・ザンデにとっては、ここ最近の3レースはリタイアが続いていた。IMSA第2戦セブリング12時間レースではマシントラブルによる火災に見舞われ、第3戦ロングビーチではスタート時に事故、そしてWEC世界耐久選手権第3戦のスパ・フランコルシャン6時間レースでは、電気系統の故障による大クラッシュを喫していた。

「セブリングでのリタイア以来、この数カ月がいかに困難なものであったかは、誰もが知っている」とブルデー。

「こういった時期を過ごすのは決して楽しいことではない。でも、これもレースの一部であり、乗り越えなくてはならないものなんだ」

「(キャデラックの)グループ全体が少し元気を失い始めていたと思うから、今日勝って、その状態から抜け出すことができて本当によかったよ」

 ラグナ・セカの週末は、彼らにとって再び厳しい状況からのスタートとなっていた。最初のプラクティスでは、ブレーキ・バイ・ワイヤのトラブルからブルデーがクラッシュし、2時間40分の決勝レースに向けた走行時間において妥協を強いられたのだ。

「予選シミュレーションができなかったので、土曜日までは少しずつポジションが落ちていったし、予選6番手を得るほどに努力ができたわけではなかった」とブルデーは振り返る。

「スタートは混沌としていて、結局7〜8番手に埋もれてしまったんだ。でも、みんながうまく作戦を立ててくれ、3番手まで順位を上げることができた。そこから、状況は好転し始めたんだ」

「マシンは生き生きとしてきて、路面もグリップしてきたから、前の2台を追い詰めることができたんだ。だけど、その後イエローが出て、7番手まで後退してしまった」

「そしてレンガーに代わると、またしても彼がやってくれたんだ! これ以上のチームメイトはいないよ。彼があのポジションにいるとき、彼以上の人はいないと思う」

「彼は何度か決定的なオーバーテイクを繰り広げ、僕らを前に立たせてくれる。そして、そこからゴールまで何とかマシンを運んでくれるんだ」

 IMSA参戦100戦目を迎えたバン・デル・ザンデは、この勝利によって、来月のル・マン24時間レースへ向けて、キャデラックの組織に勢いが戻ってきたと語った。

「スパでの大きなクラッシュを経て、このレースで勝利することは、いわゆる“最低からの最高”というものだ」とバン・デル・ザンデは語った。

「これは僕らのル・マン・カーになるわけだし、ウイナーとしてル・マンに向かうことになる」

「今日は、ちょっとだけお祝いしよう。ル・マンまであまり時間がないので、今日学んだクルマ、エンジン、ハイブリッド、ブレーキ、そしてすべてのシステムについて、すべてを整理しておこうと思う」

「このような勝利はとてもうれしい。彼らが車の中で僕に教えてくれたトリックのひとつが、この勝利をもたらしてくれた。 チーム全員を本当に誇りに思っている」