5月18日、株式会社スタートトゥデイは、代表取締役の前澤友作氏が自らチームオーナー兼総監督を務める『MAEZAWA RACING』を発足させ、6月にスタートするファナテック・GTワールドチャレンジ・アジア・パワード・バイ・AWSのジャパンカップにフェラーリ488 GT3 EVOで参戦すると発表した。

 あの前澤友作氏が、ついにモータースポーツの舞台に自らのチーム『MAEZAWA RACING』を率いて進出することになった。前澤氏はスーパーカーのコレクターとして、世界でも貴重なクルマを数多く所有しているが、2019年に所有するクルマを使って「夢と希望を届け、日本中を盛り上げること」を目的に『前澤友作スーパーカープロジェクト』を立ち上げ、幼稚園や小学生へのキャラバンなどの活動を行ってきた。

 そんな前澤友作スーパーカープロジェクトでは、マネージャーとしてGT300チャンピオン経験者でもある横溝直輝を起用。クルマギークの山田健さんとともにドライバーとして携わってきたが、そんな横溝がドライバーとして起用された『MAEZAWA RACING』としてGTワールドチャレンジ・アジアに参戦することになったのだ。前澤氏はチームオーナー兼総監督という立場で携わる。

 車両は前澤氏が所有するフェラーリ488 GT3 EVOで、前澤氏自身もステアリングを握ったこともある。ドライバーは横溝、そして、タイのシンハ・ビールの取締役でもあるジェントルマンドライバーのピッティ・ブロムバクディが起用されることになった。ブロムバクディは横溝とも仲が良く、GTワールドチャレンジ・アジアはもちろんスパ24時間やタイランド・スーパーシリーズなどにも参戦する速さをもつジェントルマンドライバーだ。

 今回参戦の舞台となるGTワールドチャレンジ・アジアは、2022年から日本で4戦を行う『ジャパンカップ』を開催し、大きく参戦台数を増やしてきた。今季はアジアからもトップチーム、ドライバーが数多く参戦する予定で、日本の強豪たちと争うことになる。

「創造性の結晶である、クルマの性能と可能性をより深く知るために、そして皆さまにも知っていただくために、レースの世界に参戦することにいたしました」と前澤オーナー兼総監督は参戦の意図を語った。

 そんなシリーズへの参戦に向け、『MAEZAWA RACING』では国際レースの場にふさわしいコンセプトとして“祭─Matsuri─”を掲げた。「代表的な日本のカルチャーである『祭』、人と人が繋がって喜びや感動を共有する『祭』。コロナ禍によって、リアルな繋がりや盛り上がりを抑制されてきた私たちの始まりと復活の象徴として、『祭』をテーマにコース内外を彩り、洗練された日本の文化を発信し、レースの世界に新たな風を吹かせていきたいと思います」としている。

 チームで初代のドライバーを、さらにゼネラルマネージャーも務めることになった横溝は「MAEZAWA RACINGの初代ドライバーとして参戦できることをとても光栄に思っております。今年はとてもハイレベルなシリーズが予想されますが、前澤友作総監督指揮の下、チームメイトのピッティ選手と力を合わせ、チャンピオンを目指します!」と意気込みを語った。

「また、ゼネラルマネージャーとしてチームが一丸となり、最高のパフォーマンスを発揮できるようにマネージメント面でも全力を尽くします。みなさま応援のほどよろしくお願いいたします」

 またひさびさに日本でレースを戦うことになったブロムバクディは「MAEZAWA RACINGからオファーをもらい大変嬉しく思っている。前澤総監督率いる新チームと気心知れた直輝と一緒にレースをすることをとても楽しみにしている」とコメントしている。

 もちろん目指すのはプロ-アマクラスのチャンピオンだが、GTワールドチャレンジ・アジアにとっても、日本のモータースポーツ界にとっても大きな話題になるチームなのは間違いなさそうだ。

MAEZAWA RACING
2023年GTワールドチャレンジ・アジア参戦体制
エントラント:MAEZAWA RACING
チームオーナー兼総監督:前澤友作
ドライバー:横溝直輝/ピッティ・ブロムバクディ
マシン:フェラーリ488 GT3 EVO
カーナンバー:555
メンテナンスガレージ:CARGUY RACING