5月21日、2023年MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第3戦スーパーバイクレース in SUGOのST1000クラス決勝が宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、榎戸育寛(SDG Motor Sports RT HARC-PRO.)が優勝を飾った。2位は渡辺一馬(Astemo HondaDream SI Racing)、3位は國峰啄磨(TOHO Racing)となっている。

 全日本ロードレース選手権第3戦SUGOのST1000クラスは榎戸育寛(SDG Motor Sports RT HARC-PRO.)が優勝した。

 天候に恵まれた日曜日。18周のレースで好スタートを切ったのはポールシッターの榎戸育寛(SDG Motor Sports RT HARC-PRO.)。國井勇輝(SDG Motor Sports RT HARC-PRO.)、渡辺一馬(Astemo HondaDream SI Racing)と続き、3台でのトップ争いが開始される。

 2周目。4番手に浮上してトップ3台を追いかけようとした岩戸亮介(Kawasaki Plaza Racing Team)が4コーナーでオーバーラン。順位を落としてしまう。國峰と渡辺一馬の2位争いが激化。榎戸がトップ独走状態に移行。2位争いには國峰啄磨(TOHO Racing)が加わって3台での激しい争いに。

 6周目。國峰がセカンド集団のトップに躍り出た。しかし榎戸はすでに1.8秒のアドバンテージを築いている。榎戸はコースレコードをたたき出してアドバンテージを広げる。國峰、渡辺一馬、國峰は3台での争いを継続。

 13周目。渡辺一馬が國峰の前に出た。榎戸はすでに5秒の大差を築いて完全なるひとり旅。

 残り3周。榎戸のペースが落ちてくるが、セカンド集団との差はまだ3秒もの大差。渡辺一馬は2位キープで周回を重ねる。背後にはピタリと國峰がついたまま。國井は2台から離されていく。

 榎戸は最後までひとり旅を続け、トップでチェッカー。2位争いは最終シケインで國峰が仕掛けて前に出る。しかし渡辺一馬が立ち上がりで抜き返して2位でゴール。國峰は3位表彰台に甘んじた。

■榎戸育寛/SDG Motor Sports RT HARC-PRO.【決勝:優勝】
「事前テストから流れをつかむことはできており、前戦のもてぎでの反省を生かしてチームと一歩一歩詰めていきました。レースは最初からプッシュし続けて、行けるだけ行っちゃおうというメンタルで挑みました。でもめちゃくちゃきつかったです。最後はタイヤとの相談で、後続とのギャップを見ながら走りました。反省点もありますが、ポール・トゥ・ウインは初めてですし、優勝できてうれしいです」

■渡辺一馬/Astemo HondaDream SI Racing【決勝:2位】
「勝てなかったのは悔しいですが、テストから榎戸選手の調子がよかったことはパドックのみんなが知っていました。僕もアベレージタイムは悪くなかったので、ついていければ後半に勝負できるかなと思っていたけれど、こういう形になってしまって残念です。レース中盤以降は國峰選手とのバトルになり、最後に仕掛けられたけど抜き返すことができました。そうできるバイクに仕上げてくれたチームのおかげです。それだけに勝てなかったことが悔しいです」

■國峰啄磨/TOHO Racing【決勝:3位】
「事前テストから調子がよくなかったけれど、レースウイークに入ったら安定して走れていました。予選ポジションが悪かったので、レース序盤はほかのライダーをパスするのに時間がかかってしまいました。そのため終盤にきつくなってしまいましたが、リスクを負いながら付いていきました。渡辺選手と比べて後半にアドバンテージがあったので最終ラップで仕掛けましたが、コーナーの中で失速していたので抜き返されてしまいました。それでも2戦連続で表彰台に乗れたので、この結果を次につなげたいです」