FIA F2に参戦している岩佐歩夢(ダムス)が5月27日に行われたスプリントレース(決勝レース1)で優勝した。日本人ドライバーがモナコで優勝したのは、2016年のスプリントレースでの松下信治以来、2度目の快挙だ。岩佐としては今シーズン、サウジアラビアのレース1、オーストラリアのレース2に続いて3勝目。これで、テオ・プルシェールを抜いて、再びランキングでトップに返り咲いた。

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──モナコでのF2の日本人ドライバーの優勝は2016年の松下信治選手以来の快挙です。

「うれしいはうれしいですが、正直金曜日の予選でミスと、このレースはリバースグリッドでのスプリントレースということを考えると、第2戦サウジアラビアのときのような、とりあえず、最低限の仕事はできたという感じでしょうか」

──レースはスタート直後にトップに立ってからは危なげなくリードを保っていたように見えました。

「フリー走行からクルマのペースは良く、予選でガードレールにヒットしてステアリングが30度ぐらい曲がった状態でもポールポジションからセクター1で100分の5秒しか遅れていなかったので(その後セクター2で赤旗で予選が終了)、レースでも速いことはわかっていたので、しっかりと後ろを見ながらレースをコントロールできていました」

──この優勝でレース前に首位だったプルシェールを抜いて、再びランキングトップに返り咲きました。

「あっ、そうなんですか。プルシェールの順位が確認できていなかったので、知りませんでした。でも、日曜日のレースでひっくり返されていると思いますから(笑)。いまはそのこと(ランキング)に気を取られずに、自分ができることに集中して、少しでも上のポジションでフィニッシュしたいですね」

──モナコが始まる直前に、ホンダがアストンマーティンと組んで2026年以降もF1活動を継続することを発表しました。そのニュースをどのように受け止めていますか?

「そのニュースに関しては、すごくうれしいです。僕にとって、ホンダ=F1だと思っていますし、日本の企業がF1に参戦することは日本の若いドライバーたちにとってもハッピーなニュースだと思います」

「ただ、ひとりのドライバーとしては直接大きな影響はなく、僕がやるべきことはFIA F2でしっかりと結果を残すことに変わりはありません。僕の夢はF1にステップアップして、そこでワールドチャンピオンになって、とどまり続けること」

「それを実現させるためには、(ホンダとは関係なく)自分自身のパフォーマンスを上げ続けるしかない。だから目の前にレースでしっかりと結果を出し続けることしか考えていません」