2023年F1モナコGP決勝で、フェラーリのシャルル・ルクレールは6位、カルロス・サインツは8位という結果だった。

 サインツは序盤、前を行くエステバン・オコン(アルピーヌ)を抜くタイミングをうかがっていたが、接触し、自身のフロントウイングのエンドプレートを壊してしまった。

 レース後半、雨が降り始めた時、サインツは5番手、ルクレールは7番手を走行。最初はコースの一部しか濡れていなかったため、フェラーリは2台をスリックタイヤでステイアウトさせることにした。しかし雨が激しさを増し、サインツはセクター2でコースオフ、ポジションを落とす結果になった。

 ルクレールとサインツは、その後、インターミディエイトタイヤに交換、それぞれ6番手と8番手でコースに復帰し、そのポジションのままフィニッシュした。

 チーム代表フレデリック・バスールは、インターミディエイトタイヤへの交換を遅らせた理由について、次のように語っている。

「雨が降ってきた時、我々は5番手と7番手だった。リスクを冒して3番手を狙いにいくことにしたのだが、予報よりも雨が激しくなってきたため、コンディションへの対応が難しくなった。従って、ミスをしたカルロスを責めることはできない。一方で、ウエットコンディションで我々のペースがあまりよくなかった理由を調べる必要がある」

■シャルル・ルクレール(スクーデリア・フェラーリ)
決勝=6位(78周/78周)
6番グリッド/タイヤ:ハード→ミディアム→インターミディエイト

 昨日、グリッドペナルティを科された段階で、不利な立場に立たされることになった。雨が降り始めた時に、早めにインターにスイッチすることもできたけど、まだ多くのマシンがスリックのままだったので、見送ることにした。このモナコで雨になると、90%の確率でセーフティカーが出動するから、それに期待しようと思ったんだ。

 もちろん、振り返って考えてみれば、違う判断を採るべきだったかもしれない。けれども、あの時点では、そうすることで大きく順位を上げるチャンスがあるように思えた。自分たちの戦略的な判断に関して、後悔はしていない。仕方がないことさ。ただ、あのグリッドペナルティが不利に働いたのは間違いない。

 第2スティントでは、マシンをコース上にとどめて、フィニッシュまで持ち帰るだけで精一杯だった。まだ今季は多くのレースが残っているし、これから何度かアップデートも投入されるから、それでレッドブル勢に迫れるようになることを期待している。

■カルロス・サインツ(スクーデリア・フェラーリ)
決勝=8位(78周/78周)
4番グリッド/タイヤ:ハード→ミディアム→インターミディエイト

 モナコらしく波乱の多いレースだったね。最終的には、狙っていた結果は得られなかった。どのコンパウンドでもペースは良かっただけに、8位という成績には満足できない。今日はピットストップが重要なポイントで、どれも微妙で難しい判断になった。雨が急に強まったので、特にインターへの交換のタイミングは難しくて、スリックでのスピンでいくつかポジションを失ってしまった。悔しさを噛み締めてモナコを離れることになるけれど、すぐに気持ちを切り替えて、僕のホームレースである次戦に集中したい。