5月29日、カワサキ・モータース・ヨーロッパはプレスリリースを発行して、2019年の鈴鹿8時間耐久ロードレースで優勝を飾り、前回の2022年は2位表彰台を獲得した『Kawasaki Racing Team Suzuka 8H』は2023年の鈴鹿8耐にエントリーの申請をしないことを発表した。

 長年鈴鹿8耐から撤退していたカワサキファクトリーであるカワサキ・レーシング・チーム(KRT)は、2019年に『Kawasaki Racing Team Suzuka 8H』としてジョナサン・レイ、レオン・ハスラム、トプラク・ラズガットリオグルのSBKライダー3人を起用して18年ぶりに復活した。

 2019年はレースが残り数分となった時点で、トップを走行していたレイが転倒。赤旗でレースが終了して、一度は順位認定から除外されたが、チームが抗議を提出。それにより、レースディレクションが赤旗中断時の規則を適用すると決定して優勝を果たした。

 以降2年はコロナ禍でレースが中止されたが、2連覇を目指した2022年もエントリーして、レイ、ロウズ、レオン・ハスラムで挑んだが、Team HRCに敗れて2位表彰台を獲得した。

 2023年大会は、鈴鹿8耐とSBKチェコラウンドの日程が被ったため、1週間後ろ倒しにされるなどの措置がとられたが、KRTはシード権を行使しておらず、エントリーリストにはKRTの名前はなかった。

 そして、5月26日に株式会社カワサキモータースジャパンが、2023年は『Kawasaki Plaza Racing Team』に岩戸亮介、岡谷雄太、佐野優人を起用することをアナウンス。そして29日にはカワサキ・モータース・ヨーロッパが『Kawasaki Racing Team Suzuka 8H』は参戦しないことを正式に発表した。

 不参加の理由は「ライダーとロジスティクスに関すること、SBKのテストに加えて専用のテストプログラムへの影響も考慮した結果」だという。

 さらに「これは軽々しく行われた決定ではなく、KRTが川崎重工、チームグリーン、川崎モータースの協力を得て勝利したことに続くものである」とも説明している。

 KRTのチームマネージャーを務めるギム・ロダは、今回の発表について以下のように説明した。

「鈴鹿8耐に出場するには、多くの人々が時間をかけて取り組む必要がある。スーパーバイクのレースに似ているかもしれないし、ジョニー(ジョナサン・レイ)やアレックス(アレックス・ロウズ)のようなSBKライダーも起用しているが、このレースは他に類を見ないもので、SBKですでに行っていることに加えて、独自のテストと準備プログラムが必要になる」

「ほとんどすべてが異なり、この1レースのために、誰もがさまざまな技術的および性能的に別のパラメーターに適応するのに時間を費やす必要がある。最高レベルで競争し、成功を奪い取るのは簡単ではないので、今年はグリッドには登場しない」

「KRTの2023年の焦点は、現在100%がSBKだ。2023年のレースに参加するすべての選手とチームがエキサイティングで安全なイベントになることを願っている」