メルセデスF1のチーム代表であるトト・ウォルフは、2023年F1第7戦モナコGPでルイス・ハミルトンのマシンを空中につり上げ、フロアデザインを世界に公開したクレーンオペレーターについて、サーカス団の“シルク・ドゥ・ソレイユ”で働いていたに違いないと冗談めかして語った。

 土曜日のフリー走行3回目の終盤、ハミルトンはバリアに衝突し、マーシャルは彼のマシンの撤去作業に取り掛かった。しかしマシンは建物の数階の高さにつり上げられたため、多くのカメラマンを含む誰もが、W14の新しいアンダーボディをはっきり見ることができた。この部分はどのF1マシンでも厳重に秘密にされている領域のひとつだ。                

 ウォルフはクレーンの介入を茶化したが、暴露されたことを少しも快く思っていなかった。

「クレーンを操作していた誰かは、おそらくシルク・ドゥ・ソレイユで仕事をしていたのだろう」とウォルフは語った。

「正直なところ、私には理解すらできない。マシンは路上にあった。トラックに載せることができたはずだ。世界中の人々にマシンがさらされてしまった」

「控えめに言っても、我々にとって最善なことではなかった」

 レッドブルの圧倒的強さを誇るRB19も、予選Q1でセルジオ・ペレスがクラッシュした後にクレーンでつり上げられ、さらされてしまったことを指摘されると、ウォルフは次のように語った。

「チェコのマシンもそうだった? 私は見ていない。彼らは誰もがシルク・ドゥ・ソレイユ出身というわけだ!」

「彼ら(マーシャル)を責めないでほしい。誰もが最善を尽くしている。私は、自分の仕事をしている人たちを攻撃するようなチーム代表になりたくない」