レッドブルF1のチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、圧倒的な強さを持つRB19の最も機密性の高いフロア部分がモナコで衆人の目にさらされたことについて、「ちょっとした見ものだった」と語るも冷静な態度を貫いた。

 例年通り、先週末のF1第7戦モナコGPではクレーン車がほぼすべてのコーナーに出向き、破損したマシンをコースから迅速に撤去した。ところが土曜日にはメルセデスのアップデートされたW14のアンダーボディが世界中に公開されてしまい、チーム代表のトト・ウォルフは激怒した。ルイス・ハミルトンがフリー走行3回目にミラボーでクラッシュした後、マシンは建物の数階の高さに吊り上げられたのだ。

 数時間後の予選では、Q1でセルジオ・ペレスがサン・デボーテでクラッシュした。そしてその時は、レッドブルがRB19のエアロパッケージのおそらく最も重要な部分を詳しく見るチャンスをライバルたちに与える番だった。RB19の最高機密であるアンダーボディが公にさらされたことに腹を立てているか尋ねられたホーナーは、「人のスカートを見上げるのは非常に無礼だ」と冗談めかして語った。

「ちょっとした見ものだったし、すべてのチームでは、ある時点で誰もが空中を見ていた。誰にとっても同じだ」

 ホーナーは、見せ物になったからといって、レッドブルのライバルたちが知らないことや推測していないことは何も明かされなかったと考えていた。

「写真はパドックのなかやその周辺で撮られていると思う。バンで到着して、マシンの写真を撮るのだ」

「各チームは、パーツがばらばらになったマシンの写真を撮るために、スパイのカメラマンを雇うだろう。それはよく行われていることだから、フロアの写真が撮られたのが初めてのことだとは思わなかった」

「クレーンで吊るされたのはおそらく初めてだろうが、どのチームも機密情報を得るために常に努力していると思う」

 興味深いことに、アストンマーティンのパフォーマンスディレクターを務めるトム・マッカローは、レッドブルのフロアが公開されたことは、ホーナーが主張しているほど取るに足らないことではないと示唆した。マッカローは、チームのAMR23がクレーンで吊り上げられなかったことに安堵していた。

「空力責任者たちが、吊り上げられたすべてのマシンを仔細に見ることは確かだ」とマッカローは語った。

「ありがたいことに、我々のマシンはまだ吊り上げられていない。今後もそうならないようにしよう」

「エアロダイナミシストは決してそれを共有したがらない。プランクの摩耗状態からだけでも多くのことが学べる。地面に接するものから沢山のことを学べる」

「だが、ピットレーン全体でも、非常にエキサイティングなエアロダイナミクスが多く見られると言えるだろう」