グッドイヤーは、6月10〜11日にフランスのサルト・サーキットで決勝レースが開催される2023年WEC世界耐久選手権第4戦ル・マン24時間レースに、ガレージ56枠から参戦するNASCARのシボレー・カマロZL1のタイヤに、ワイヤレス内蔵センサーを搭載する予定だと発表した。

　100周年を迎えるル・マン24時間に、異質なチャレンジャーとして挑戦することになるNASCAR車両のカマロZL1は、7度のNASCARカップチャンピオンに輝いたジミー・ジョンソン、ル・マン24時間優勝経験者のマイク・ロッケンフェラー、そして2009年のF1ワールドチャンピオンであるジェンソン・バトンという3人がドライブする。

　そんなカマロZL1にタイヤを供給するのがNASCAR、そしてWECでもLMP2へのタイヤ供給でお馴染みのグッドイヤーだが、新たに空気圧と温度を記録する初のリアルタイム・インテリジェンス機能を搭載したレーシングタイヤを投入することになった。

　このタイヤには製造工程でグッドイヤーの革新的な電池不要のパッシブセンサーが埋め込まれているという。センサーはグッドイヤーのインテリジェントテクノロジーである「グッドイヤー・サイトライン」を搭載。展開に合わせてリアルタイムのデータを送る。

　エンジニアとドライバーは、このデータを活用して空気圧と温度を把握し、それぞれのセッティングをリアルタイムで調整することで、マシンの性能を最適化することができるようになるとしている。

「タイヤはマシンと路面が唯一接する部分で、そこから得られるリアルタイムの情報は、最も過酷な条件下でもドライバーのパフォーマンスを最大限発揮させることができる可能性を秘めている」と語るのは、グッドイヤーのリチャード・J・クレーマー最高経営責任者兼社長。

「グッドイヤーは、モータースポーツ界において新たな扉を開くタイヤ・インテリジェンスを導入できることを、とても誇りに思う。またNASCAR、ヘンドリック・モータースポーツ、シボレーと共同でこのガレージ56プロジェクトに参加できたことを光栄に思う」

　今回のカマロZL1の参戦に向け、グッドイヤーはドライ、インターミディエイト、フルウエットの3種類のタイヤを投入し、チームとドライバーをサポートしていく。