チームWRTがスパでBMW Mハイブリッド V8をテスト。カーボンブラックの車両を“経験者”含む5名がドライブ
現在、BMW Mチーム RLLから北米IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に参戦しているMハイブリッド V8は、2024年にはWECのハイパーカークラスにもデビューを果たす予定となっている。
■ロビン・フラインスもテストに参加
来季WECにデビューを飾るLMDh車両としては、ほかにランボルギーニSC63、アルピーヌA424などが予定されているが、BMWは彼らよりも1シーズン早くレース活動を開始しており、さらにWECのプログラムを担うWRTがヨーロッパでのテストを行って世界選手権デビューに備えている。
WRTはすでに2023年6月下旬にBMW Mハイブリッド V8での初テストを実施している。今回のテストでは、最近新たにBMWファクトリードライバーとなったロビン・フラインスが参加。さらにマキシム・マルタン、レネ・ラスト、マルコ・ウィットマン、ニック・イェロリーがMハイブリッド V8のステアリングを握った。
6月のモーターランド・アラゴンでの初テストではカラーリングが施されたMハイブリッド V8を走らせていたBMW MチームWRTだが、今回のスパではカーボンブラックの車両を走らせ、システムとパフォーマンスの最適化に注力したという。
テストを終えたフラインスは、「この素晴らしいプロジェクトの一員になったのは最近のことなので、BMW MハイブリッドV8の複雑さを理解している最中だ」とコメントしている。
「周回を重ねるごとに学んでいるところだ。でも、ここスパ・フランコルシャンではとてもうまくいっているし、クルマもかなり進歩している。これからのテストが楽しみだよ」
BMW Mモータースポーツの責任者を務めるアンドレアス・ルースは「WEC参戦に向けたBMW Mハイブリッド V8のテストは、非常に順調に進んでいる」と述べている。
「IMSAシリーズでのレースイベントと、ここヨーロッパでのテストの両方に車両を投入することが有益であることは明らかだ。BMW MチームWRTだけでなく、BMW MチームRLLやBMW Mモータースポーツのエンジニアたちにとっても、このデュアル・プールはすべての面でメリットがある」
「ここスパ・フランコルシャンでマシンをテストしたマルコ・ウィットマンとニック・イェロリーは、北米でのレース経験からすでにBMW MハイブリッドV8を熟知しているドライバーであり、この貴重な相乗効果を裏付けるものとなっている」
また、チームを率いるヴァンサン・ボッセも「3日間のテストは、とてもうまくいった」と振り返っている。
「今回も多くのことを学び、2024年のWECシーズンに向けて前進を続けることができた。現時点では、できるだけ多くの走行距離を積み重ね、クルマだけでなくチームとしても課題をこなすことが重要だ。うまくいっているよ」
なお、この3日間のテストではBMW M4 GT3のアップデートバージョンである“EVO”パッケージの開発も同時に行われ、こちらはアウグスト・ファーフス、イェンス・クリングマン、ブルーノ・スペングラーがテストを担当した。