ヌービルに訊く、ヒョンデ逆転の可能性。10戦8勝のトヨタに立ち向かうために不可欠なもの
第10戦『アクロポリス・ラリー・ギリシャ』のフィニッシュ後、ヒョンデi20 Nラリー1の横に立ったヌービルは、サスペンショントラブルによって24時間前にこのグラベル(未舗装路)ラリーでの勝利の望みが絶たれていたことを考慮すれば、比較的会話がしやすい様子だったという。
競技3日目の土曜日にデイリタイアを喫したベルギー人ドライバーは第10戦で1ポイントも獲得することができず、ドライバーズランキング首位を走るTOYOTA GAZOO Racing WRTのカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)とのギャップは66ポイントに。マニュファクチャラーズタイトル争いでも、トヨタがヒョンデとの間に築いたリードは91ポイントに拡がった。
9月末には第11戦『ラリー・チリ・ビオビオ』が控えているが、トヨタはここでヒョンデに対して13ポイント差をつけることができれば、シーズン終盤の2戦を残してマニュファクチャラーズタイトルを獲得することが可能だ。この状況下で、ヌービルはヒョンデとともに返り咲くことができると考えているのだろうか? この問いに対するヌービルの答えは「ノー」だ。
「ノーチャンスだよ。もちろんマシンはまだ改善しなければならないし、チームだって再編成を進めている。僕はそれを信じているし、希望を抱いているんだ。来年はより良いポジションにつけるだろうね」
「我々がやるべきことは分かっていると思う。トヨタに対して僕たちは落ち込む瞬間があるんだ。皆そのことに気付かなければならない」
ヌービルは6月に行われた第6戦『ラリー・イタリア・サルディニア』で優勝するなど速さを持っており、クラッシュを喫した第4戦クロアチアや失格となった第7戦ケニアを除けば、多くのラリーでトップ3以内でのフィニッシュを果たしている。第5戦ポルトガルと先週末のギリシャで表彰台に上がれなかったのは、マシントラブルによるものだ。
「今振り返れば、ラリーをリードしながらコースオフを喫してしまったクロアチアを除けば、すべての大会で表彰台に上がることができたはずだ」とここまでのシーズンを振り返ったヌービル。
「ポルトガルでもターボのトラブルがなければ表彰台に上がれていただろうね」
「これらのことを考慮すると、トラブルさえなければすべてのイベントで表彰台に上がっていただろう。ここ(ギリシャ)でもね。そう考えると痛恨の極みだ」