現地時間11月5日、2023年F1第21戦サンパウロGP(ブラジルGP)の決勝レースが行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインで今季17勝目、F1キャリア通算52勝目を飾った。2位にランド・ノリス(マクラーレン)、3位にフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)が続いた。アルファタウリの角田裕毅は9位に入り、2ポイントを獲得した。

 アウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ(インテルラゴス・サーキット)を舞台に開催されるサンパウロGP。今大会のドライタイヤのコンパウンドはC2タイヤがハード(白)、C3タイヤがミディアム(黄)、C4タイヤがソフト(赤)と、前戦メキシコシティGPからは1段階固めとなる。

 スタートタイヤはミディアムを選択したローガン・サージェント(ウイリアムズ)を除く19台がソフトをチョイス。そのうち、上位勢では2番グリッドのシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3番グリッドのランス・ストロール(アストンマーティン)の2台が新品ソフトを投入している。

 快晴のもと、気温度20度、路面温度47度、湿度57パーセントというコンディションのなか、現地時間5日14時(日本時間6日2時)よりフォーメーションラップが開始された。そんなフォーメーションラップ中のターン7にて、フロントロウスタートのルクレールがクラッシュ。「油圧がなくなった。なんてことだ」と無線を飛ばすと、ルクレールはマシンを降りた。

 ルクレールを除く19台により71周の決勝レースはスタートを迎えたが、波乱は続いた。フェルスタッペンが悠々とターン1を通過する一方、3〜4番グリッドのアストンマーティン勢は揃ってスタートの蹴り出しが悪く、ノリスが2番手に、ルイス・ハミルトン(メルセデス)が3番手に浮上する。

 そんななか、12番手スタートのケビン・マグヌッセン(ハース)、13番手スタートのアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)の2台が接触からターン1でクラッシュ。即座にセーフティカー(SC)導入となり、そのまま2周目に決勝は赤旗中断となる。

 アルボンとマグヌッセンの接触のあおりを受け、リヤセクションにダメージを受けたオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、マグヌッセンのマシンから外れたタイヤがリヤウイングに直撃したダニエル・リカルド(アルファタウリ)の2台は赤旗中にガレージにてマシン修復に取り掛かることに。一方、混乱をすり抜けた角田は16番手から入賞圏内の10番手に浮上している。

 レースは30分近く及んだ中断ののち、1周のフォーメーションラップを経て、周回数4周目よりスタンディングによりリスタートを迎えることに。リスタート順は赤旗提示時点の順位となり、フェルスタッペン、ノリス、ハミルトン、アロンソ、ストロール、ジョージ・ラッセル(メルセデス)、セルジオ・ペレス(レッドブル)、カルロス・サインツ(フェラーリ)、エステバン・オコン(アルピーヌ)、角田のトップ10となった。なお、この赤旗中にノリス、角田らは新品のソフトに履き替えている。

 リスタートでもフェルスタッペンがホールショットを守る。一方、抜群の蹴り出しを見せた2番手ハミルトンだったが、ターン1〜2でノリスに前を塞がれ、ターン4の飛び込みでアロンソに先行され4番手に後退。一方、角田は一時9番手に浮上するが、アルピーヌ2台との攻防は続き11番手にポジションを下げる。

 リスタートからフェルスタッペンが逃げる流れかと思われたが、2番手ノリスはファステストを更新し、フェルスタッペンのDRS圏内をキープする。8周目、DRS区間のストレートエンドとなるターン1、ターン4ではフェルスタッペンに揺さぶりをかける動きも見せるが、ここで2台のギャップは1.080秒に広がり、DRSを使えなくなったノリスとフェルスタッペンのギャップは翌9周目には1.8秒差、11周目には2.2秒差まで広がる。

 一方、4番手ハミルトンから9番手ガスリーまでの6台が4秒以内というDRSトレインが形成される。13周目にはその後方で角田がオコンをかわし10番手に浮上。9番手ガスリーの背中を追う展開に変わったが、角田は17周目のターン10でハーフスピンし、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)にかわされ、11番手にポジションを下げることに。

 18周目、ペースがガクンと落ちたハミルトンをペレスが攻略し4番手に浮上。一方のハミルトンは18周目終わりにミディアムタイヤに交換するが、左フロントタイヤに問題があると無線を飛ばす。21周目にペレスがミディアムタイヤに履き替えるが、ハミルトンがアンダーカットに成功。ペレスはふたたびハミルトンの背中を追う展開となったが、23周目のターン4でハミルトンを再度攻略する。

 26周目に3番手のアロンソがミディアムに交換すると、翌27周目にサインツ、ガスリー、角田が。そして28周目にトップのフェルスタッペンとノリスが同時にミディアムタイヤに交換している。なお、ピット前はガスリーに対し3秒差まで縮めた角田だったが、ピットアウト時にその差は5秒まで広がっている。

 レースも折り返しを迎えた36周目。トップのフェルスタッペンはノリスに対し4.8秒のギャップを築くが、この周ノリスは1分14秒845とファステストを更新。ただ、その様子をみてか、37周目にはフェルスタッペンが1分14秒682をマークし、ファステストの座をノリスに渡さない。

 一方、ミディアムタイヤを履いたメルセデス勢のペースが悪く、サインツが6番手に浮上。ハミルトンが7番手、ラッセルが8番手に後退し、メルセデスチームはラッセルに対し「プランBで行くよ」と無線を飛ばす。42周目には9番手ガスリーがペースの落ちたラッセルのDRS圏内に入ると、43周目のターン1でアウトからオーバーテイクを決め、ガスリーが8番手に浮上する。

 10番手角田のペースは9番手ラッセルよりも1秒以上早かったこともあり、角田は46周目にラッセルのDRS圏内に入った。オーバーテイク目前かというところまで接近したが、46周目終わりにラッセルがソフトタイヤに履き替える。その翌周の47周目にはペレス、ハミルトン、ガスリーが、さらに48周目にアロンソがソフトタイヤに交換するが、49周目にハミルトンはタイヤのデグラデーション(性能劣化)を感じてか「ミディアム履けばよかった」と無線を飛ばす。そのハミルトンは50周目のターン1でガスリーにかわされ9番手に後退するなど、スタートから一転、メルセデス勢は苦戦が続く。

 52周目にサインツ、53周目にストロールがソフトに交換。フェルスタッペン、ノリス、そして見た目上5番手の角田は、ソフトタイヤが保たないと読み、ミディアムタイヤのまま周回を重ねオーバーカットを狙う。55周目に角田、56周目にフェルスタッペンがソフトに交換すると、ステイするノリスが見た目上トップに浮上する。

 角田はラッセルの後方10番手でコース復帰。ただ、58周目終わりにラッセルがピットに戻り、そのままリタイアとなったため、角田は9番手に浮上。13秒先の8番手ハミルトンの背中を追う。

 60周目、ノリスがソフトに履き替えるが、フェルスタッペンとの位置関係は13秒と変わらず2番手でコースに戻る。ノリスは62周目に1分12秒486という強烈なファステストをマークするが、フェルスタッペンとのギャップは11秒と、大きくは縮まらず。

 ノリスはフェルスタッペンとのギャップをわずかには縮めるが、フェルスタッペンはペースをコントロールしトップの座を譲らず。71周目を終え、フェルスタッペンがポール・トゥ・ウインで今季17勝目を飾った。ノリスは最終的に8.2秒差の2位に続いた。

 一方、終盤にはアロンソとペレスの3番手争いも白熱。DRSが使えないアロンソだったが、ペレスに隙を与えないまま2台の攻防は10周以上続いた。ただ、レースも残り2周となった70周目のターン1でペレスが3番手に浮上する。これで勝負あったかと思われたが、アロンソはファイナルラップのターン4のブレーキング勝負で3番手を奪還。アロンソ、ペレスの2台の攻防はチェッカーまで続いたが、0.053秒差でアロンソが3位に入り、7戦ぶりの表彰台を獲得した。

 4位ペレス、5位ストロール、6位サインツ、7位ガスリー、8位ハミルトン、9位角田、10位オコンまでがポイント獲得。角田はスプリントに続き、決勝でも2ポイントをアルファタウリに持ち帰った。

 次戦となる2023年F1第22戦ラスベガスGPは、11月16〜18日にアメリカ・ラスベガス市街地に特設されるラスベガス・ストリート・サーキットで開催される。