ニコ・ヒュルケンベルグは、ハースがF1の世界で戦うためには開発方針を変える必要があるとの考えを示した。ハースは大規模なマシンアップグレード導入を10月まで遅らせた。

 VF-23はタイヤに激しいデグラデーションをもたらす傾向にあり、ハースはその影響もあってレースにおいて高いパフォーマンスを発揮できずにいる。しかしハースは、ライバルたちとは異なり、定期的なマシンアップデートは行わないという方針を選択した。ハースは、シーズン終盤10月末のアメリカGPに、大規模なアップグレードを導入。今季型のパフォーマンスを改善するとともに、来シーズンのマシンの確固たる基盤を築くためのアップグレードだった。

 アメリカはスプリント・フォーマットでの開催だったため、フリープラクティスが1回しかなく、新パッケージへの理解を深めることは簡単ではなかった。通常のフォーマットのメキシコは、標高の高さによりマシンのダウンフォースが低下する傾向にあり、次のブラジルは再びスプリント方式だった。この3連戦で新パッケージによる恩恵を評価するのは難しいが、タイヤのデグラデーションの問題はいまだに残っているようだ。

 メキシコでグランプリ出走200回目を迎えたヒュルケンベルグは、レース終盤まで10番手を走行していたが、その後、ペースが落ちてポジションを落としてしまい、節目となるグランプリで入賞を飾ることができなかった。

 不本意な結果に終わったヒュルケンベルグは、メキシコシティGP後、「(今こういう状況にいるのは)避けられないことだ。アップグレードを持ち込まず、パフォーマンスを見つけられなかったことの代償を払っている」と語った。

「これがファクトリーの全員への警鐘になるといいね。このままではF1で戦うのは不可能なのだから」

 チーム代表ギュンター・シュタイナーは、メキシコ決勝後、デグラデーションが高いという問題が新パッケージに残っていると認めた。

「ニコはポイントを取れるいいポジションにいたが、我々(ケビン・マグヌッセン)が赤旗を出し、その後、最終スティントではタイヤを最後まで持たせることができなかった」

「我々のマシンは、他のマシンのようにタイヤのライフを長く維持することができない。ほぼ最後まで戦うことができたが、“ほぼ”では十分ではない」

「それ以外については、チーム全体のパフォーマンスは良かったし、ニコは良い結果を目指して素晴らしい走りをした」

 3連戦最後のブラジルでは、マグヌッセンとヒュルケンベルグはスタート直後にアクシデントに見舞われ、マグヌッセンはリタイア、ヒュルケンベルグは12位という結果だった。ハースは、5戦連続でノーポイントが続いており、コンストラクターズ選手権で最下位10位に落ちてしまった。

 ブラジル後、ヒュルケンベルグは「マシンがダメージを負ったが、赤旗の間に修復ができたので、マシンに問題はなかった。ただ単純に、今週末はパフォーマンスがなかった」と語った。

 シュタイナー代表は、「ニコは、我々のマシンが抱えるデグラデーションの問題を回避するための方法を見つけようと、タイヤに関して最善を尽くした。彼はベストを尽くしたものの、最終的に、我々に可能な最高の成績は12位だった」とコメントしている。