スーパーGT第8戦モビリティリゾートもてぎ、今季最終戦のチャンピオン決定戦で、トップを走行しながら優勝まであと一歩のところで急な雨でスピンを喫してしまった3号車Niterra MOTUL Z。逆転チャンピオンの望みが消えた瞬間でもあったが、このレースでスタートを務めて、レース後半の高星明誠の走りを見守っていた千代勝正がレースを振り返った。

 予選ポールポジションからスタートを務めた千代は順調にトップをキープし、後半スティントの高星へ。高星のペースも順調で優勝はほぼ手中に収めたと思われた残り5周、降り始めた雨が一瞬、強くなり、3号車Niterra MOTUL Zと高星はS字ふたつ目の進入でリヤを滑らし、そのままアウト側のサンドトラップに捕まってしまった。結局、3号車は13位でチェッカーを受けることになった。

「……複雑ですね」

 言葉を絞り出すように、今の心境を話す千代。勝負の分かれ目となったラスト5周を見守っていた状況を聞く。

「難しい状況だった。僕らが選んだタイヤは23号車(MOTUL AUTECH Z)よりもひとつ温度レンジが高いタイヤだったので、(ペース良く3番手を走っていた23号車に比べて)あの状況にとってすごく不利な状況になってしまった。正直、(高星は)コース上に留まるのが精一杯だったと思います」

「タラレバを言えば、ギャンブルを打って2台でウエットタイヤに換えることも考えたと思いますが、残り周回数と逆算して、動けかなかったですし……非常に悔しい」

 いつもの明るさは影を潜め、うつむいたまま話す千代。レース前半、千代がステアリングを握っていた際にも雨は降っていたが、終盤の雨はその時の雨とは大きく状況が違っていたという。

「僕の時の雨は通り雨で、多少グリップが下がるところはあったのですけど、状況を見ながら走ることができていました。後半スティントの雨ほどはひどい状況ではなかった。後半はピットにいるだけではわからないような雨が降って、コーナーによって雨量がかなり違ったのかなと。タイヤも前半と後半で違うので、後半のタイヤの方がハードだったので大変だったと思います」と、千代は高星との状況の違いを説明した。

「ベストを尽くして、3号車のパフォーマンスの高さは証明できた週末だったと思います。最後、優勝を獲りきれなかったことに対して、高星選手が一番悔しいと思うけど、これはみんなで戦っていること。タイヤチョイスも、あの場面での選択も、チームとしてみんなで選択しているので……しっかり最後まで勝ち切れるチームにならないといけないなと思います」

 スピンを喫してしまったチームメイトの高星に対して、千代はどのような言葉をかけたのか。

「『よく頑張った』と。ドライバーなら気持ちはよくわかるので、よく頑張ったと思います」

 チャンピオン争い、そして最終戦の優勝争いに惜しくも敗れたとはいえ、今シーズンのGT500クラスは間違いなく、36号車au TOM'S GR Supraと3号車Niterra MOTUL Zが主役となって引っ張った一年だった。今年の悔しさをバネに、3号車Niterra MOTUL Z、そして千代と高星は来季、さらにたくましくなって戻ってくるに違いない。



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