ハースは今週末のF1第22戦ラスベガスGPで、ドライバーの好みに応じて異なる仕様のパッケージをそれぞれのマシンに使用する予定だ。ニコ・ヒュルケンベルグはVF-23をアメリカGP前の仕様のパッケージに戻し、ケビン・マグヌッセンはアメリカGPでチームが導入した最新の空力スペックを引き続き使用する。

 10月、ハースは大幅に改良したマシンをサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)に持ち込んだ。レッドブルにインスパイアされた修正が施されており、チームの哲学が本格的に変更されたことが表れていた。ハースは、レッドブルの特徴であるダウンウォッシュ型サイドポッドのコンセプトに切り替えた、グリッド上で最後のチームだ。この大幅な改良によってハースは、マシンの空力効率を改善して来シーズンに向けた基礎を確立するだけでなく、慢性的なタイヤのデグラデーション問題も解決することを期待している。

 アメリカGPの週末はスプリント・フォーマットでスケジュールが過密だったが、ハースはオースティンで新たなパッケージを深く理解することが課題だった。続くメキシコシティGPでは、チームには潜在的な改善点、または不足を把握する時間がより多くあった。しかしメキシコシティは標高が高くマシンのダウンフォースが奪われてしまうため、またしてもハースはほとんど何も明確にできなかった。

 同じくスプリント・フォーマットだったサンパウロGPでは、ドライバーたちはほとんどパフォーマンスを示すことがなかった。ヒュルケンベルグは予選でマグヌッセンを上回り、日曜日のグランプリでは12位で完走した。一方のマグヌッセンはスタート直後にウイリアムズのアレクサンダー・アルボンとクラッシュしリタイアとなった。

 ハースF1のチーム代表であるギュンター・シュタイナーは、チームがラスベガスで仕様を分けることについて次のように説明した。

「これについての主な理由は、ニコが前の仕様の方がより合っていると感じており、ケビンはその反対だということだ」とシュタイナーは説明した。

「彼らが望むものを提供することにした。残るはあと2戦で、失うものは何もないのだからできることは試してきた」

「データの収集について議論することもできるが、データは十分にある。これはそれぞれのドライバーが一番好むものにもとづいて決定されたことだ。これで彼らは快適なポジションにいられるので、用意されたマシンに最高に満足できるだろう」

 ライバルチーム同様に、ハースはラスベガスでいくつか特有の課題に直面することになる。6.2kmのコースにある、ラスベガスの名高いストリップ地区ではドライバーたちがスピードダウンする場面が見られるだろう。

「気温の低さが課題だ。誰もが知っているように、タイヤは最低気温よりも高く、つまり5度よりも高く保つ必要がある。だから常にタイヤを少し温かくしておく必要があるのだが、これにはアスファルトも大きく影響する」

「気温とアスファルトの粗さとの組み合わせだ。しかし我々の方では、デグラデーションはブラジルほど悪くはならないと思う。木曜日のフリー走行で路面、コース、気温がわかれば、より多くのことを把握できるだろう」

 マグヌッセンもヒュルケンベルグも、ラスベガスの高速ストリートサーキットをよく知りたいと強く望んでいる。また、予測される外気温が1桁台になるなかで、すべて夜間に実施されるセッションにおいてタイヤ温度が重要な要素になることを、ふたりとも承知している。

「ブラジルの前は、コースについてあまり知らないと言わなければならなかったけれど、それ以降はシミュレーター作業をしたよ」とマグヌッセンは説明した。

「ブラジルの後、すぐにラスベガスに焦点を移して、コースのすべてのコーナーを理解するようになった」

「夜にそれほど寒くなるのなら、タイヤの温度を上げるのはとても難しいだろう。タイヤに温度を入れることがすべてだから、見ものだろうね。ダウンフォースはその助けになる。どうなるか見ていこう」

 一方ヒュルケンベルグは、「このレースに向けて綿密な準備ができるドライバーは誰もいないだろうから、フリー走行が重要になる」と語った。

「僕は通常トラックウォークをしないけれど、ここでやることになるかどうかだ。ベガスのストリップ地区のすべての観光スポットを見る面白いやり方かもしれない」

「レースウイークについては、これほど低温のなかを走行するのは珍しいことだから、どれだけ簡単にタイヤを温めることができるか見極めなければならない」