アメリカの自動車メーカー、ゼネラルモーターズ(GM)は、11月14日、2028年シーズンからのF1パワーユニット(PU)マニュファクチャラーとしてFIAに正式な登録を行い、アンドレッティ・キャデラックにパワーユニットを供給することを発表した。マイケル・アンドレッティ率いるアンドレッティ・グローバルとゼネラルモーターズは提携し、アンドレッティ・キャデラックとしてF1に参戦することを目指しており、FIAの審査に合格、現在はフォーミュラ1マネジメント(FOM)の審査を受ける段階にある。

 FOMからは現時点で審査の進捗状態についての発表はなされておらず、アンドレッティ・キャデラックのエントリーはまだ正式に承認されたわけではない。しかし、ゼネラルモーターズは、FIAにパワーユニット・マニュファクチャラーとしての登録を行い、新しいエンジン規定に合わせてエンジンを準備する作業を開始していることを明らかにした。

 GMのマーク・ロイス社長は、「アンドレッティ・キャデラックの新たなF1エントリーに、GMのパワーユニットが搭載されることに興奮している」とコメントした。

「深いエンジニアリングとレーシングの専門知識により、このシリーズにおいて成功を収めるパワーユニットを開発し、アンドレッティ・キャデラックを真のワークスチームとして位置付けることができると確信している。我々は情熱と誠実さを持って、最高レベルで走り、世界中のレースファンのためにこのスポーツを向上させるために貢献していく」

 GMは、F1パワーユニットのプロトタイプテクノロジーの開発とテストがすでに進行中であると述べている。

 F1既存チームの大部分は、新たなF1チームが加わることに反対している。参戦チームが11に増えることで、既存10チームのF1プライズマネーの取り分が減ることを懸念しているためだ。

 しかし今回、GMが独自のエンジンを製造する計画であると発表したことは、アンドレッティ・キャデラックにとって大きな後押しとなるだろう。世界最大の自動車メーカーのひとつが強いコミットメントを示したことで、F1と既存チーム側がアンドレッティ参戦に反対することが難しくなるはずだ。

 マイケル・アンドレッティが当初提示した計画は、キャデラックのバッジを別のメーカーのエンジンにつけるというもので、今年半ばまではアルピーヌとの契約が有効だった。今回の発表により、当初のアルピーヌとの契約は暫定的なものであり、最終的にはGMが独自のF1パワーユニットを設計・開発する計画だったことが明らかになった。

 アンドレッティ・キャデラックのF1エントリーに賛成する立場を示している、FIA会長モハメド・ビン・スライエムは、今回のGMの発表にいち早く反応し、「GMがFIA F1のPUサプライヤーとして登録したというニュースを喜んでいる」とSNSを通してコメントした。

「これはFIAのPUレギュレーションに対するさらなる支持である。象徴的なアメリカのブランドであるアンドレッティとGMの存在は、このスポーツにとってプラスになる」

 マイケル・アンドレッティとGMの代表者は、今週末のラスベガスGPに姿を見せる予定であり、週末の間に、F1 CEOステファノ・ドメニカリと既存10チームの代表には、この件についての質問が集中することになる。チーム代表らは、GMが完全に関与しているのであればアンドレッティの参入を受け入れざるを得ないと認めるのか、自分たちが受け取るプライズマネーが減らないよう、アンドレッティが既存チームを買収する以外での参入には反対するというこれまでの姿勢を維持するのか、どちらかの立場を表明せざるを得ないだろう。