11月18〜19日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権のシーズン最終大会となる第6大会が開催される。11月16日(木)から週末に向けた専有走行がスタートしたが、今回エントリーした12台の現行車両に加え、第3大会の鈴鹿からテストを開始した『TGE33』エンジンを搭載した車両が走行を開始した。今回は2021年・2022年の全日本スーパーフォーミュラ選手権チャンピオンの野尻智紀がステアリングを握っている。

 スーパーフォーミュラ・ライツでは、将来に向けサステナブルでローコストというコンセプトを目指したワンメイクエンジンとして、第3大会からトヨタGRヤリス用1.6リッター直列3気筒ターボのG16E-GTSをベースにした『TGE33』エンジンをテストしている。今後、JAFからの公認が出次第、2024年のスーパーフォーミュラ・ライツのエンジンとしてアナウンスされるはずだ。

 この新型エンジン搭載車は、鈴鹿での第3大会、富士での第4大会では高星明誠がテストを担当。岡山での第5大会では佐藤蓮がテストを行った。そして、第6大会のもてぎでステアリングを握ったのは、2年連続のスーパーフォーミュラ王者である野尻だ。2013年までスーパーフォーミュラ・ライツの前身である全日本F3に参戦していた経験があるが、野尻がこのサイズのフォーミュラをドライブするシーンはひさびさで、非常に新鮮だった。

「今回はSFLアソシエーションさんからお話をいただき、僕が力になれることがあれば協力すべきだと思いました。僕も全日本F3時代にそこを通り、成長させていただいた身なので、何かできることがあれば最大限協力しようと思っていました」と野尻は語った。

 気になるTGE33エンジンについては「まだまだ詰めるところはあると思います。レーシングエンジンがベースではないので、もう少しレスポンスが欲しい部分などはあります」と感想を語った。

「もう少しそういったところが改善されれば、僕たちドライバーも乗りやすいですし、攻めやすいと思います。コンペティティブなシリーズにも繋がっていくと思いますので、純粋にどう走ってくれたら自分が嬉しく感じるかを主眼において、いろいろとコメントさせていただきました」

 また今回は、B-MAX RACING TEAMがメンテナンスを担当。エンジンメンテナンスをTOM'Sが担当するなど、ふだん野尻がともに仕事をする相手ではないスタッフとの仕事になったのも興味深い。「もちろん面識はありましたが、なかなかお話をする機会がない方たちと一緒に仕事をさせていただくのはすごく新鮮でした。いろんなコミュニケーションをとることも楽しさのひとつで、嬉しいことでした」と野尻自身も良い経験になった様子だ。

 この日はホンダ/HRCのロゴがついたレーシングスーツを着て、午前の専有走行1回目では31周をこなし、午後は49周を消化。いずれも現行車両を抑えてトップタイムを記録した。エンジンのパフォーマンスを考えれば順当とも言えるが、「若手たちに負けなくて良かったですね」と聞くと「心配でした(笑)」と語った。

「ひさびさにこのクラスのフォーミュラに乗りましたからね。当然ながらスーパーフォーミュラの方がダウンフォースがありますし、その扱い方は当然慣れていますけど、グリップなどがふだん乗っているものよりも低いので『乗れなかったらどうしよう?』と思っていました」

「でも乗ってみたら普通にドライブできましたし、ふだん僕はHRS(ホンダ・レーシングスクール鈴鹿)で講師として、もっとローダウンフォースのクルマに乗っているので、乗っておいて良かったと思いました。『ローグリップでも走れます。野尻です』って感じです(笑)」