11月19日、2023年シーズンを締めくくる第59回NGKスパークプラグ杯 鈴鹿サンデーロードレース最終戦が行われ、インターJSB1000/ST1000にエントリーした大久保光が初めて尽くしのなか、格の違いを見せポール・トゥ・ウインを飾った。

 MotoEで3年目のシーズンを戦った大久保光がHAMAGUCHI Racing Teamから鈴鹿サンデー最終戦にスポット参戦することが決まったのは9月のこと。HAMAGUCHI Racing Teamの浜口喜博代表は、2001年にTBSバラエティ番組『ガチンコ! バリバリ伝説』をきっかけにレーシングライダーとして活動を始め、全日本ロードレース選手権、カナダ選手権に参戦。

 鈴鹿8耐には13年連続で出場し、2013年のル・マン24時間耐久で現役を引退。地元三重を盛り上げるために、鈴鹿8耐では漫画ばくおん!! とのコラボレーションや、伊勢志摩海女萌えキャラクター碧志摩メグ(CV.小松未可子)を生み出し、自らドラッグレースに参戦もしていた。

 2024年シーズンより再びロードレースを盛り上げたいという想いもあり、HAMAGUCHI Racing Teamとして9年振りに復活。その第一歩として今回のNGK杯へエントリー。碧志摩メグの痛バイクには、世界で活躍中で、乗り鉄、オタクレーサーとしても有名な大久保を起用することになったという。

 ただエントリーはJSB1000クラスだが、マシンはブレーキもサスペンションもスタンダードとST1000マシンよりも市販状態に近いものだった。様々なバイクに乗ってきた大久保だったが、ヤマハYZF-R1に乗るのは初めてと、ぶっつけ本番のレースウイークとなっていた。

 初日となった金曜日は40分の走行があったが、マシントラブルが出てしまい、ほとんど走れず。土曜日の公式予選は、開始直前に雨が降ってきてしまい、気温も急下降。難しいコンディションの中、ポールポジションを獲得したのは、さすがだったが、日曜日は晴れとなり、ほとんどドライで走れないままレースを迎えていた。

 それでも大久保は冷静だった。スタートを決めホールショットを奪うと、レースをリード。山中将基がこれを追うが、マシンの状態を見ながらペースアップ。このレースで唯一2分12秒台に入れトップを独走。残り2周となったところでホームストレートで多重クラッシュが発生してしまい赤旗が提示される。そのままレースは成立となり、大久保は優勝という結果を残した。

「勝つことができてよかったです。チームの皆さんも頑張ってくれたおかげで2分12秒台に入りましたし、現状ではベストを尽くせましたし、HAMAGUCHI Racing Teamとして、いいスタートが切れたと思います。来シーズンは、まだ分かりませんが、また機会があれば走らせていただきたいですね」と大久保。

 また、来シーズンよりFIM世界耐久選手権(EWC)にフルエントリーを表明しているTeam Étoile25/チームエトワール25が佐藤太紀を起用して参戦。オープニングラップにマシントラブルが発生してしまい初陣は課題の残る結果となっていた。

 J-GP3クラスには、特別参加枠ながら全日本ロードで存在感のある走りを見せた池上聖竜が参戦。来シーズンを見据え初めてピレリタイヤで挑んだ。やはりドライをほとんど走れずにレースを迎えていたが、レース終盤にペースアップし独走で優勝を果たしている。

 なお、インターJSB1000/ST1000のレースで発生した多重クラッシュで鈴鹿を中心に活動していたicu racing teamの吉田和憲が亡くなった。享年54歳。心よりご冥福をお祈りいたします。