11月26日、2023年MotoGP第20戦バレンシアGP MotoGPクラスの決勝がリカルド・トルモ・サーキットで行われ、2023年限りでレプソル・ホンダ・チームから離脱するマルク・マルケスは、ホンダラストレースをリタイアで終える結果となった。また、チームメイトのジョアン・ミルは土曜日以降のセッションは欠場となった。

 日本勢の中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は12位で完走、アレックス・リンス(LCRホンダ・カストロール)は転倒リタイアとなった。

 11年間をともにし、6度のタイトル獲得で栄光をもたらしたマルケスは、2023年限りでレプソル・ホンダ・チームから離脱する。そんな彼は『感謝』と記されたスペシャルヘルメットを纏い、初日から渾身の走りを見せていた。土曜日のスプリントでは、トップ争いを展開した末に3位を獲得し、HRCとチームに最高のプレゼントを贈った。

 決勝でも「攻めの姿勢で挑む」と公言していたマルケスは、ホンダでのラストレースに挑んだ。スタートではやや出遅れるも、抜群の追い上げを見せて4周目には5番手に浮上する。背後には序盤に2番手につけながらも、ミスで大きくポジションを落とし、王座獲得に向けて猛攻を続けていたホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)が迫っていた。マルケスがさらに追い上げを図ろうとしていた矢先、4コーナーでマルティンに後ろから接触される形となり、ふたりがクラッシュ。マルケスのホンダラストレースは、リタイアと悔しさが残る結果となってしまった。

 そんなマルケスは、最高峰クラスで59勝を含む101度の表彰台に立ち、64度のポールポジション、59度のファステストラップをマークし、計2626ポイントを獲得。ホンダとチームにとって数多くの功績を残してきたが、2024年シーズンの最終戦バレンシアGPを最後に、HRCライダーとしての歴史に幕を閉じた。

 また、リンスも2023年限りでLCRホンダ・カストロールから離れるため、彼にとってもホンダでのラストレースとなった。好スタートを切ると、中上の後ろ18番手でレースを展開。中盤以降に転倒が相次ぐなかでも、しっかりとペースとポジションを維持していた。ところが、20周目に中上を捉えた後に転倒を喫してしまい、再スタートを切ることができず、リタイアに終わった。

 リンスは今シーズン移籍1年目ながらも、第3戦アメリカズの決勝でホンダ唯一の優勝を飾っている。しかし、第6戦イタリアGPのスプリントレースでクラッシュを喫した際に右足の脛骨と腓骨を骨折。途中で復帰を果たすも、21戦中13戦を欠場と怪我に悩まされるシーズンとなった。最終戦も足の痛みを抱えながらも完走を目指していたが、残念な結果となってしまった。

 ランキングにおいてはマルケスが14位、中上が18位、リンスが19位、ミルが22位となった。またチームランキングにおいてはレプソル・ホンダ・チームが122ポイントで9位、LCRホンダが116ポイントで10位、コンストラクターズランキングは5位という結果で2023年シーズンを終えている。

■マルク・マルケス(決勝:リタイア)
「今日は感動的な一日だった。正直、この1週間は感情を抑えるのが難しい瞬間が何度もあったんだ。残念なことは、今日の決勝を完走することができなかったことだ。今日はとても調子がよく、表彰台はもちろん、それ以上を狙える可能性もあったよ」

「転倒は僕のミスではなかった。チャンピオン争いをするマルティンがアタックモードに入っていての接触だったんだ。彼に対して、僕はアタックモードには入っていなかった。こういうことは、チャンピオン争いをしていれば起きうることだと思っている」

「今日一番大切なことは、HRCとレプソル・ホンダ・チームと過ごしたすばらしい時間を思い出すことだった。僕たちは長い間、一緒に信じられないようなストーリーを描いてきたし、僕にとっては、チーム以上の存在だった。2013年から11年間、本当にありがとう」

■中上貴晶(決勝:12位)
「今日はグリッドでリヤタイヤの選択に迷いましたが、ミディアムにしてよかったと思います。しかし、今日はフロントのフィーリングが完全ではなく、難しいレースでした。それでも、12位になりポイントを獲得できたのでよかったです。今年のチームの仕事に感謝しています。2024年シーズンはいいシーズンにするために、チームとともに頑張っていきます」

■アレックス・リンス(決勝:リタイア)
「LCRホンダ・カストロールでのラストランだったから、このような結果で終わりたくなかったけれど、これもレースだ。最後まで全力を尽くしたよ。今シーズンは自分のキャリアの中でも、最も困難なシーズンだった。しかし、LCRのサポートに感謝している。チームのこれからの幸運を祈っているよ」