11月27日に発表されたWEC世界耐久選手権の2024年暫定エントリーリストによってBMWの陣容の一部が明らかになった。新たに設けられたLMGT3クラスでBMW M4 GT3のドライバーに抜擢されたバレンティーノ・ロッシは、「FIA WECに参戦できることをとても嬉しく思っている」と語った。

 BMWは、ヴァンサン・ボッセ率いるチームWRTとともにシリーズ最高峰のハイパーカークラスと、GT3カテゴリーとして船出するLMGT3の両クラスに参戦。トヨタやフェラーリ、ポルシェなど計9社が集うプロトタイプカテゴリーには“BMW MチームWRT”として新規参入し、2台の『BMW MハイブリッドV8』を世界選手権デビューさせる予定だ。

 キドニーグリルを備えたこのLMDh規定マシンは、すでに北米のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権でフルシーズンを戦いライバルのポルシェやキャデラックのLMDhカーと競い合ったが、WECでは来シーズン初めて相見えることになる。2台のプロトタイプカーにはそれぞれ“15”と“20”のゼッケンナンバーが与えられ、前者にドリス・ファントール、後者はシェルドン・ファン・デル・リンデがひとりめのドライバーとして登録された。各車2名ずつ残る4人のBMW Mワークスドライバーは後日アナウンスされる予定だ。

 ハイパーカーと同様に9つのブランドが集い、都合18台のGT3カーが初年度のグリッドに着くLMGT3クラスにおいては、“チームWRT”から2台の『BMW M4 GT3』がエントリーを果たした。そのうちの一台はMotoGPで9度のチャンピオンに輝いた“ドクター”ことロッシが乗り込むマシンだ。ゼッケンナンバーはおなじみの“46”となっている。

 もう一台のM4 GT3にはチームWRTのレギュラーナンバーである“31”が掲げられ、こちらはBMWを代表するファクトリードライバーのひとりであるアウグスト・ファーフスがドライバー欄に名を連ねた。

「FIA WECに参戦できることをとてもうれしく思っている」と、悲願のWEC/ル・マン24時間レース参戦を実現させるロッシは語った。

「ヨーロッパ(のレース)だけでなく、ふたたび世界的なレースに出場することは僕にとって次のステップだ」

■GTWCヨーロッパで見られたロッシ・フィーバーがWECでも!?

 今シーズン、チームWRTからGTワールドチャレンジ・ヨーロッパやロード・トゥ・ル・マンなどに参戦してきたロッシは、欧州シリーズやル・マンでの優勝経験もありBMW M4 GT3のドライブに自信をみせる。

 また彼は、ブロンズ、シルバー、ゴールド/プラチナという異なるレーティングのドライバーが1台のクルマにラインアップされるカテゴリーであっても、自分たちが上位のポジションにつけることができると信じている。

「今シーズンを終えて、すでにマシンには慣れている」とロッシ。

「3つの異なるパフォーマンス・カテゴリーから3人のドライバーが参戦するフォーマットは、僕にとって新しいものになる。それでも、全体としては非常に良いポジションにいられると思うよ」

 BMW Mモータースポーツの責任者であるアンドレアス・ルースは、今回起用が明らかになった4名のドライバーを含めたBMW Mワークスドライバーたちが、WECを戦ううえで必要な経験とスキルを持ち合わせていると語った。

「BMW MチームWRTは、プロトタイプとGT3の両セグメントにおいて、世界最高のチームのひとつだ」とルース。

「私たちが指名したBMW Mワークスドライバーたちは、必要なドライビングスキルと経験を備えている。シェルドン・ファン・デル・リンデはすでにBMW MハイブリッドV8に精通しており、ドリス・ファントールはテストドライブで強い印象を残した。さらにLMP2プロトタイプでル・マンに出場した経験もある」

「バレンティーノ・ロッシは、今シーズンの(ロード・トゥ・)ル・マンでBMW M4 GT3に乗り即座に優勝して鮮烈なデビューを飾った。全体的に見てBMW Mワークスドライバーとしての最初のシーズンは非常に印象的だった。私は、彼がFIA WECで重要な役割を果たし、このシリーズで人気者になると確信している。アウグスト・ファーフスの経験とドライビング・スキルは、LMGT3プログラムにとって重要な柱となるだろう」