11月28日(火)、アブダビのヤス・マリーナ・サーキットで、タイヤ&ヤングドライバーテストが行われた。トップタイムをマークしたのはエステバン・オコン(アルピーヌ)で、2番手はパト・オワード(マクラーレン)、3番手はフレデリック・ベスティ(メルセデス)だった。アルファタウリから参加した岩佐歩夢は15番手となっている。

 テストは1日のみで、ピレリからは5種類のスリックタイヤが10セット(C1:1セット、C2:1セット、C3:3セット、C4:3セット、C5:2セット)と、2種類の雨用タイヤが1セットずつ供給された。若手ドライバーはスリックタイヤが8セット(C3:2セット、C4:4セット、C5:2セット)と2種類の雨用タイヤが1セットずつだ。

 参加ドライバーは基本的に各チームのレギュラードライバーと、リザーブドライバーあるいは育成ドライバーで、アルファタウリからは角田裕毅とダニエル・リカルドに加えて岩佐が参加。ハースはレギュラードライバーが参加せず、リザーブのピエトロ・フィッティパルディと、フェラーリの育成ドライバーでハースから2回フリー走行に参加したオリバー・ベアマンがステアリングを握った。

 テストは現地時間午前9時から行われる予定だったが、メディカルヘリコプターの到着が遅れたため25分遅れで始まった。開始から30分ほど経過したところで、ターン13〜14で水漏れが発生したため、一時セッションは赤旗中断となった。

 また開始から4時間後、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がテクニカルトラブルによりターン6でクラッシュを喫し、右フロントに大きなダメージを負った。ラッセルに怪我はなかったが、その後ラッセルのガレージの前にはバリアが置かれ、中が見えない状況で修復作業が行われた。結局ラッセルはこのクラッシュでテストを終了している。

 終日走行を重ねた岩佐だったが、終盤にトラブルで止まってしまい、ラッセルのクラッシュに続き3度目の赤旗中断となった。開始は遅れたものの、テストは当初の予定通り現地時間午後6時に終了した。

 今回のテストでトップタイムをマークしたのはアルピーヌのエステバン・オコンで、タイムは1分24秒393。ジャック・ドゥーハンは1分25秒038で7番手だった。ふたりとも終日走行し、合計218周を走破した。

 2番手につけたのは1分24秒662を記録したマクラーレンのパト・オワードで、ともにテストに参加したオスカー・ピアストリは1分25秒930で18番手だった。103周、500km以上を走行したオワードは「今日の走行には満足している。燃料をたくさん積んだ状態と少ない状態で幅広い範囲のことに取り組んだ」とコメント。また今井弘レースエンジニアディレクターによると、2台はセットアップをわけて走行し、通常のレース週末にはカバーできないテスト項目までこなしたということだ。

 3番手はメルセデスのフレデリック・ベスティで、最速タイムは1分24秒679。ラッセルがクラッシュにより58周で走行を終えたあともベスティはテストを続け、105周を走り切った。ベスティはこれが3回目のF1マシンでの走行で、終盤にソフトタイヤでアタックしたことについては「このマシンで限界までプッシュするという夢が叶った」とコメント。ラッセルもクラッシュをしたものの「実りの多い半日だった」と述べている。

 レッドブル勢はセルジオ・ペレスが4番手、ジェイク・デニスが14番手となった。デニスは「FP1ではただマシンに乗って生き残るだけだったが、今日はもう少し限界までプッシュして間違いなくマシンを理解できた」とコメントした。

 フェラーリからはロバート・シュワルツマンと、シャルル・ルクレール、カルロス・サインツのレギュラードライバーふたりが参加。サインツが5番手、シュワルツマンが8番手、ルクレールが10番手となっている。シュワルツマンは終盤に予選想定のラップを走ったが、赤旗やトラフィックに阻まれた。それでも123周を走り、ペースやデグラデーションを確認するためのロングランも行い貴重なデータを収集したということだ。

 アストンマーティンは午前を担当したランス・ストロールがC4タイヤで21番手、午後に乗ったフェルナンド・アロンソが6番手。リザーブドライバーのフェリペ・ドルゴヴィッチは終日ドライブし、12番手だった。

 ウイリアムズはアレクサンダー・アルボン、ローガン・サージェントのレギュラードライバーに加え、育成ドライバーのザク・オサリバンとフランコ・コラピントという4人を起用し、合計222周を走行した。午前に乗ったアルボンはC2タイヤでマークしたタイムで25番手。22番手だったコラピントがF1マシンで走行するのはこれが初めてで、「FW45をドライブするのは素晴らしい経験だった。最高の方法でウイリアムズ・レーシング・ドライバー・アカデミーの一員としての1年目を締めくくった」と語った。サージェントは9番手、オサリバンは17番手となっている。

 今年のFIA F2チャンピオンで、アルファロメオのリザーブドライバーであるテオ・プルシェールは11番手で終え、レギュラードライバーの周冠宇は24番手。ただし周のタイムはC4タイヤで記録したものとなっている。

 ハースは唯一レギュラードライバーが参加せず、リザーブ&テストドライバーのピエトロ・フィッティパルディと、FP1に参加したオリバー・ベアマンがテストを担当した。フィッティパルディはヒュルケンベルグのマシンで個人では最多となる130周を走り19番手、ベアマンはマグヌッセンのマシンで110周を走り16番手だった。なおベアマンは、ウイリアムズのオサリバンやコラピントなどとともに11月29日から行われるFIA F2のテストにも参加する。

 そしてアルファタウリはリカルド、角田、岩佐の3人が走行。角田が1分25秒570で13番手、岩佐が1分25秒753で15番手、リカルドはC3タイヤで1分26秒965をマークし23番手だった。岩佐は午前の走行では徐々にペースを上げることに挑戦し、午後は新しいタイヤでいっそうプッシュした。終盤のトラブルによりアタックラップを走ることはできなかったが、テスト後には「今日学んだことが将来のレースに大きく役立つと確信している」とコメントしている。