11月29日、ホンダレーシングスクール鈴鹿(HRS鈴鹿)は、2023年度のHRS鈴鹿フォーミュラクラス・アドバンスコースのカリキュラムにて優秀な成績を収め選抜された4名が参加する、2023年度HRS鈴鹿フォーミュラクラスのスカラシップ(奨学制度)最終選考会を実施。4名が選考会に臨んだなか、加藤大翔が首席、洞地遼大が次席でスカラシップ獲得者となったことが発表された。

 F1をはじめとする2輪・4輪のモータースポーツを開催してきた鈴鹿サーキット。そんな鈴鹿サーキットでは技術のみならず精神的にも人間的にも世界のトップクラスとして通用するライダー・ドライバーの育成を目的として1992年に『鈴鹿サーキットレーシングスクールジュニア(現HRS鈴鹿モトクラス)』を開校。

 翌1993年に次世代のドライバー育成機関『鈴鹿サーキットレーシングスクールカート(現HRS鈴鹿カートクラス)』、そして1995年に日本で唯一ともいえる本格的フォーミュラ・ドライバー育成を目的とした『鈴鹿サーキットレーシングスクールフォーミュラ(現HRS鈴鹿フォーミュラクラス)』を開講し、世界最高峰のMotoGP、F1をはじめ、国内最高峰のレースで活躍する数多くの選手を輩出してきた。

 そして2022年、これまで以上にホンダの意思を入れ、国内外のトップドライバーを目指すライダー・ドライバーの育成を、スクールから実践まで一気通貫で指導できる体制へと強化する決意の表れとして、スクール名称をHRS鈴鹿へ名称をリニューアルした。HRS鈴鹿へのリニューアル2年目となった2023年、HRS鈴鹿フォーミュラクラスのスカラシップは加藤と洞地が獲得した。

 主席となった加藤は、三重県出身の16歳。2021年に全日本カート選手権FS125クラスで2勝を挙げシリーズ2位となると、2022年にはEXGEL OK CHAMPにてシリーズチャンピオンを獲得。また、全日本カート選手権OKクラスではシリーズ7位となった。

 次席でスカラシップ獲得となった洞地は愛知県出身の17歳。2021年全日本カート選手権OKクラスで1勝を挙げシリーズ3位、2022年はシリーズ12位となった。また、洞地は2022年にHRS-Fアドバンスコースを受講もスカラシップ選考会へは進めず。2023年は2度目の挑戦で念願のスカラシップ獲得を果たした。

 なお、スカラシップ獲得者決定にあたり、スカラシップ生発表会直前まで議論が重ねられた模様。発表会は当初の予定から50分近く遅れて開始され、HRS鈴鹿の佐藤琢磨プリンシパルより、加藤、洞地のスカラシップ獲得が発表された。

 スカラシップ生発表にあたり、佐藤琢磨プリンシパルは「みんなには後ほど成績表が渡されるけど、小数点以下の戦いだった。1時間近く待たせたのはそれが起因です。非常に難しかった。それほどレベルが高かった」とスクール生に語りかけた。

「こういう発表はいつも苦しいけれど、みんなはキラキラと輝いている。この場にいることができたことを支えてくれた人に感謝してほしいし、今後それぞれの道を極めていく際に、いろいろな人が君たちをサポートしているのだということを、決して忘れないでください。そして、今回良かったこと、悪かったことも自分の引き出しにして、今後に繋げていただきたいと思います」

 主席でスカラシップ獲得となった加藤は「今後、海外でもっともっと速い選手と戦う中で苦戦すると思いますが、その中で自分のベストを尽くします。F1に乗ったときにその経験が活かせるよう、毎年厳しい戦いの中で1番を取って行こうと思っています。そして2027年にはF1ドライバーになることを目標に頑張ります」とコメント。

 そして、次席でのスカラシップ獲得となった洞地は「スカラシップを取れたのは良かったけれど、自分は2年目なのにひとつ年下の加藤くんに首席を奪われたのは正直悔しいです。今後苦しいことがたくさんあると思いますが、それに負けずに、来年からは必ず1番を取ってF1でチャンピオンを取るために頑張っていきます」と、悔しさを滲ませつつも力強く語った。

 SRS時代から、現在HRSのプリンシパルを務める佐藤琢磨や、F1で活躍する角田裕毅(アルファタウリ)、FIA F2に参戦した岩佐歩夢。そして、スーパーGT GT500クラスやスーパーフォーミュラに参戦するトップドライバーなど、数多くの有力ドライバーを輩出してきたHRS鈴鹿だけに、加藤と洞地の今後の活躍にも注目が集まるに違いない。