モータースポーツ界における女性の活躍を支援・拡大するプログラムである『アイアン・デイムス』所属のドライバー、ドリアーヌ・パンが、2023年のWEC世界耐久選手権で『レベレーション・オブ・ザ・イヤー』を受賞した。

 このアワード(Revelation=新事実、発覚といった意)は耐久レースという競争の激しい舞台において、傑出した新人を表彰し、その献身、忍耐、そして紛れもない可能性を称えるもの。19歳のパンは過去の受賞者たちの仲間入りを果たし、次世代を担う才能のひとりとしての名声を確固たるものにした。なお、2022年の同アワードは、16歳でシリーズデビューを果たしたジョシュ・ピアソンが受賞している。

 2004年1月6日にフランスで生まれたパンは、2013年にカートを始めた。当時はF1を目指し、セバスチャン・ベッテルに憧れていたという。2019年にフランスのカートチャンピオンとなった彼女は2020年にルノー・クリオカップにステップアップし、2021年のミシュラン・ル・マン・カップではGT3の表彰台を数回獲得している。

 アイアン・デイムスは 2021年、FIA F3 マシンでのテストで貴重な経験を積む機会を彼女に与え、2022年はELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズのLMGTEクラスに参戦。同時に参戦したフェラーリ・チャレンジ・ヨーロッパでは14戦9勝という成績でチャンピオンに輝いた。その年末のWECルーキーテストでLMP2マシンをドライブしたパンは、2023シーズンのLMP2クラスにプレマ・レーシング63号車からフル参戦することが決定した。

 経験豊富なミルコ・ボルトロッティ、ダニール・クビアトとトリオを結成したパンは、3月の開幕戦セブリング・インターナショナル・レースウェイで3位と順調なスタートを切り、WECのLMP2クラスで初めて表彰台に立った女性ドライバーとなった。

 その後のシーズンでもパンはチームメイトたちに匹敵するラップタイムを多く刻み、プロトタイプレースの初年度に目覚ましい進歩を遂げた。最終戦のバーレーン8時間レースでは、序盤のアクシデントから立ち直り、クラス5位でフィニッシュしてシーズンを締めくくっている。

 パンはWECへのデビューと並行して、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のミシュラン・エンデュランス・カップへも参戦。デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ、ワトキンス・グレン・インターナショナル、そしてロード・アトランタという北米の著名なサーキットでも経験を重ねている。

 11月5日、最終戦翌日のWECのアワード・セレモニーでレベレーション・オブ・ザ・イヤーを受賞したパンは、次のように述べている。

「FIA WECのような権威と競争力のあるチャンピオンシップでレベレーション・オブ・ザ・イヤーの栄冠を手にすることは、私にとって“世界”を意味する。これは、私が今年行ったすべての仕事を反映したものだ。この機会を与え、私を信頼してくれた人々に感謝したい」

「私はドライバーとして、そして人間として多くの成長を遂げてきた。私は今年、アイアン・デイムス・プロジェクトを代表してFIA WECに出場した最初のシーズンで、セブリングでの初めての表彰台、そして初めてのル・マン24時間レースのことを、ずっと覚えていることだろう。私はこのアワードを、夢を実現するために学び続け、自分の限界に挑戦し続けるためのさらなるモチベーションとして受け止めている」