12月3日に栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われたホンダレーシングサンクスデー2023。今年もF1マシンをはじめ多くのレーシングカー・レーシングバイクが迫力ある走行シーンを披露し、1万5400人のファンが来場し、盛況のうちに閉幕した。

 ここ数年はコロナ禍の影響により、思うようなかたちで開催できない時期もあったが、今年の5月に規制等が大幅に緩和されたことを受け、選手とファンが交流できるイベントもいくつか盛り込まれた。ドライバーやライダーが登場するホンダレーシングサンクスデーサイン会が実施されたほか、専用チケットを購入したファンのみが参加できるプレミアムピットウォークも行われた。こちらでは、主に国内の選手たちもピット前に登場し、サインや写真撮影など、ファンサービスに応じていた。

 ロードコース上では、さまざまなマシンが登場。朝一番の走行セッションでは来季からホンダ・レーシング・スクール鈴鹿で導入されるHRS-F24のデモンストレーションランから始まり、野尻智紀が初めてF1マシンをドライブした『Red Bull Racing Honda RB16B × TEAM MUGEN SF23 スペシャルコラボレーション』も大きな盛り上がりを見せた。

 さらに来季からGT500クラスの参戦車両になるシビック・タイプR-GTも登場。市販のシビックTYPE Rに加え、同車がベースとなっているスーパー耐久参戦車両とのコラボで迫力ある走行を披露した。

 ちなみに、シビックTYPE R-GTをドライブした牧野任祐は、走行前のインタビューでマイクを向けられると「会場の皆様、ご起立・ご脱帽の上、国旗に注目してください」と、いきなり国歌の冒頭部分を歌い始めるといいう一幕も見られた。

 午後には、国内外の舞台で活躍するホンダの2輪・4輪マシンによるコラボ走行『2&4パフォーマンス』が行われ、F1マシンとMotoGPマシンが同時に走行するという、このイベントでしか見られないようなシーンも披露された。さらに、今回は佐藤琢磨が2020年のインディ500を制したレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのIR-18も登場。もてぎのロードコースを疾走するという、こちらも珍しい光景が見られた。

 また、国内の4輪トップカテゴリーによるデモレースも開催された。『スーパーフォーミュラ HRC GP』では野尻智紀(TEAM MUGEN)、牧野と太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、福住仁嶺(ThreeBond Racing)、松下信治(B-Max Racing Team)、佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)の6台が出走し、各所でサイドバイサイドのバトルを披露した。

 そのなかで、ファイナルラップに入ったところでトップに立った牧野がトップチェッカーを受け、最終ビクトリーコーナーで佐藤を抜いた太田が2位に入り、ダンディライアンがワンツーを獲得した。
 実は、8月に行われたスーパーフォーミュラ第8戦では、2番グリッドだった太田がギアが1速に入っていないというハプニングに見舞われてスタートができず、2コーナー明けでは多重クラッシュに巻き込まれた牧野が宙を舞うクラッシュを喫した。

 デモレースを制した牧野は「僕たち、もてぎラウンドでは色々ありましたけど、今回はワンツーフィニッシュでした!」と笑顔をみせていた。

『NSX-GTラストレース』では、5台のNSX-GTが登場。このうちチームクニミツは2018年にチャンピオンを獲得したRAYBRIG NSX-GTを用意し、今季のドライバーである山本尚貴と牧野もレイブリックのレーシングスーツに身を包んで登場した。

 ただ、山本は怪我の療養が続いておりレーシングカーに乗れないため、代役としてインディカーシリーズに参戦する佐藤琢磨がドライブすることとなった。

 デモレースは6周で争われ、途中好きなタイミングでドライバー交代をするというルール。前日のくじ引きで決められたグリッド順でスタートが切られると、各車とも接近戦のバトルを展開し、途中のピットストップでドライバー交代を行った。

 そのなかで、ARTA MUGEN NSX-GTの8号車が一番最後まで引っ張る戦略をとり、5台のなかで最後にピットインするが、前半を務めていた大湯はピットボックスをなぜかスルーした。

 あわてて、野尻が追いかけるも、マシンはピット出口付近で停車。マシンから降りようする大湯を野尻が無理やり押し込め、結局“ドライバー交代なし”でピットアウトする一幕もあった。

 ファイナルラップには5台が並んでゆっくりとチェッカーを受け、NSX-GT最後のレースは幕を閉じた。ちなみに、レース後のインタビューで野尻をスルーした件について聞かれた大湯は「西日がまぶしくて見えなくて……」と回答。すかさず野尻に「太陽はあっち(最終コーナー側)だよ!」とツッコまれていた。

 その後は、レッドブルとアルファタウリのF1カーによる豪華ショーランで盛り上がったほか、今季限りでホンダを去るMotoGPのマルク・マルケスがファンの前に登場し感謝の挨拶をした。

 最後のフィナーレでは、再び4輪・2輪の各マシンがコースを1周し、ホームストレートに整列。最後はエンジンを空ぶかしさせ、ホンダサウンドを場内に響かせ、今年もホンダレーシングサンクスデーは幕を閉じた。