2023年シーズンのSBKも幕を閉じてオフシーズンと突入したが、各メーカーやライダー達は、早くも2024年シーズンに向けてプライベートテストを実施している。10月31日〜11月1日に行われたヘレステストでは見られなかったライダーの初ライド、新型マシンやパーツも続々登場してきている。

 スペインのヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトでは、11月22〜23日にカワサキ、ホンダ、ヤマハの3メーカーがウインターテストを行っていた。ヤマハのPata Yamaha Prometeon WorldSBKは新加入のジョナサン・レイと、ヘレステストでは未参加となっていたアンドレア・ロカテッリが参加。新型ヤマハYZF-R1も搭乗し、両者ともに多くの周回をこなしながら様々なセッティングを試しながら新パーツも導入されていたようだ。

 レイには3台、ロカテッリには2台のYZF-R1が与えられていたようで、多くのデータを収集。計173周をこなしたレイは、好感触を感じながらも「ブレーキングの最後の部分をどうコントロールすればいいのか、まだ理解できていないんだ」と語っており、マシンへの適応もこれから詰めていく様子が伺えた。

 カワサキは、Kawasaki Racing Team WorldSBKのアレックス・ロウズと新加入のアクセル・バッサーニがテストに参加。カワサキにとって年内最後のテストとなったが、新パーツを導入してパフォーマンステストやロングランも行いながらテストを遂行し、ZX-10RRの開発の方向性を確認したようだ。ロウズは数多くの周回をこなしながらテストし、バッサーニもZX-10RRへ適応させながら走行していた。

 セッション最速タイム1分38秒762をマークしたロウズは「ここでのテストは本当にハッピーでとてもポジティブだった。レース用タイヤで過去最高の周回ができたし、みんなとカワサキが新しいものを持ってきてくれたおかげだよ」と、2日間で有意義なテストを実施できたようだ。

 Team HRCからは、継続参戦のイケル・レクオーナとチャビ・ビエルゲが2023年型と2024年型のホンダCBR1000RR-Rでテストを行った。さらにHRCのテストライダーを務める長島哲太と、日本からも数名の追加エンジニアが参加していたようだ。新型CBR1000RR-Rではエンジンやシャシー、サスペンション等のアップデートが施されており、特に加速とグリップの面でメリットをもたらすことを目指しているとのこと。

 レクオーナとビエルゲともに2日目には大幅にタイムアップを更新しており、「テストには本当に満足しているし、新型マシンのステップアップにも驚いている。全般的にマシンのフィーリングが大きく変わっている。もちろん、まだ少し苦労している部分や、もっと理解が必要な部分もあるけれど、全体としては今のところはとても満足している」と新型マシンに良い兆しが見えていたようだ。

 さらにホンダは、12月4日にポルトガルのアルガルベ・インターナショナル・サーキットでもテストを行った。このテストではヘレスでのテストと違い、雨に見舞われたためにウエットコンディションでのテストとなった。ここでは十分にテストを行えず、やや不完全燃焼となってしまったようだが、来年に向けてマシン改善のためのミーティングを重視していたとのことだ。

 さらにこのポルティマオのテストではROKiT BMW Motorrad WorldSBK Teamも2日間参加した。ヘレステスト不参加となったトプラク・ラズガットリオグルが初のBMW M1000RRをライドする姿を披露した。マイケル・ファン・デル・マークとともにテストを遂行したが、悪天候のため多くの周回をこなすことはできなかったようだ。

 それでもラズガットリオグルはマシンへ適応させることから始めたが、「ブレーキを調整する必要があるけれど、周回を重ねるごとに調子は良くなっていた。非常にポジティブだよ」と語っており、テストをしながらも初マシンも楽しめたようだ。そんなBMWは、12月5日と6日にはスペインのヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで続けてテストを行うことが予定されている。

 2024年シーズンに向けて各チームとライダーたちが、テストを行っている。まだテスト段階では新しい顔ぶれや、移籍となるライダーがマシンへの適応を進めている状況が続いているので、勢力図が見え始めるのは少し先になりそうだ。