2023年シーズンはF1直下のFIA F2に参戦し、シリーズ4位となった岩佐歩夢。FIA F2最終戦終了後の11月28日にはF1のタイヤ&ヤングドライバーテストに参加し、スクーデリア・アルファタウリのステアリングを握ると、岩佐はF1の余韻に浸る間もなく帰国。3日のホンダレーシングサンクスデー2023出演を経た6日、鈴鹿サーキットで開催された全日本スーパーフォーミュラ選手権の合同/ルーキーテストの1日目を迎えた。

 ホンダレーシングサンクスデー2023でSF23をデモランしている岩佐だが、実際にSF23を攻めたのはこのテスト1日目が初経験。計4時間の走行セッションを終えた岩佐に、想像していたSF23と実際のSF23のイメージにズレはあったかと聞くと、「あまり大きくはありませんでしたね」と岩佐は語った。

「事前に何人かのドライバーからはSF23のフィーリングはどういったものかを聞いていましたし、シミュレーターにもそれなりに乗っていたので、イメージしていたSF23の挙動と現実のSF23の動きは、そこまで大きくかけ離れてはいなかったですね。走り出しから、スッと馴染むことはできました」

 そんな岩佐は午前のセッション1で5番手タイム、午後のセッション2で7番手タイムをマーク。いずれもSFルーキードライバーの中では最上位となった。

「ルーキーの中ではトップですけど、結果やタイムをあまり気にしないなかでの順位だったので、正直驚きはあります。テストを進めるにあたり、タイムよりもまずは『経験値を積む』という部分を重視していたので、そこがすごくうまくいきました。チームとの仕事の進め方という部分でも、徐々に詰めていくことができましたので、今日得たものは大きかったと思います」と岩佐。

 FIA F2最終戦からF1テスト、そしてホンダレーシングサンクスデー2023を経てSFテスト参加と、11月末からキャラクターの異なる車両を短期間に乗り継いでいる岩佐だが、過密スケージュールや各マシンのフィーリングの違いに翻弄された様子は見せなかった。

「それぞれのクルマは大きく違いがありますし、それぞれ癖もあります。ただ、SF23の癖というものは結構スッと掴むことができたと思います。正直、サンクスデーの際は攻めてはいなかったのでSF23の癖がどこかはわかりませんでした。ですが、鈴鹿に来てから結構、自分としては短い時間でSF23の癖やキーポイントは掴めたと感じているので、そこはよかったと思います」

 2019年に鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラ(現:ホンダレーシングスクール鈴鹿・フォーミュラクラス)のスカラシップを獲得後、フランスF4、アジアF3、FIA F3、FIA F2と、海外でキャリアを重ねてきた岩佐は、4年ぶりに国内チームとともに戦うシーズンを迎える。

 1台のマシンに3人のエンジニアを配置し、欧州スタイルのチーム体制を築き上げてきたTEAM MUGENの印象を“欧州育ち”の岩佐に改めて聞いた。

「欧州チームとも大きくはかけ離れてはいないと思います。ただ、それでも違った印象はあります。自分と同じ日本人のチームというのは、(SRS-F卒業後)経験したことはなかったので、そういった面でのアジャストは当然必要ですね。もう少し時間をかけて馴染みつつ、引き続き学んでいかないといけないと思います」

 岩佐が掴んだSF23の癖、キーポイントは明らかにされなかったが、自信を感じさせる話ぶりからも、岩佐がテスト初日からスムーズにテストメニューを消化していることには違いないだろう。チームタイトル2連覇を果たしたTEAM MUGEN、そしてまた新たな学びと手応えを得た岩佐のタッグはどのような実を結ぶだろうか。シーズンの行く末を占う意味でも、残るテストセッションの走りも注視しておきたい。