12月6日(水)にスタートした2023年IMSA公認テストは2日目に突入した。走行初日はプロトタイプカーのみの専有枠だったが、7日(木)はGTP、LMP2、GTDプロ、GTD計4クラスのマシンが出走している。新車を含む合計43台が集い2024年1月に開催されるIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権開幕戦『デイトナ24時間レース』に向けたテストが行われているアメリカ、フロリダ州から、走行2日目のトピックスをお届けする。

■LMDhはキャデラック、GTカーはBMWが最速

**チップ・ガナッシ・レーシングが運営する01号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・レーシング)は、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われたIMSA公認テストで1分35秒317をマーク。非公式ながら2日目午後の時点でのトップタイムを記録した。

**このタイムは、水曜日にアンドレア・カルダレッリのドライブで63号車ランボルギーニSC63(ランボルギーニ・アイアン・リンクス)がマークした1分35秒027の初日最速ラップよりもコンマ3秒近く遅いものだが、GTPとLMP2エントリーにとって最終セッションとなる木曜夕方の走行を前して2日目の暫定トップとなっている。金曜日と土曜日のセッションは、GTDプロとGTDクラスのマシンのみが走行予定だ。

**トレント・ヒンドマンがドライブした1号車BMW M4 GT3(ポール・ミラー・レーシング)は1分46秒111を記録し、91号車ポルシェ911 GT3 R(ケリーモス・ウィズ・ライリー)を抑えてGTカー最速となった。

**新車である3号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(コルベット・レーシング・バイ・プラット・ミラー・モータースポーツ)のベストタイムは1分46秒353。同じくニューマシンの65号車フォード・マスタングGT3(フォード・マルチマチック・モータースポーツ)は1分46秒618を刻んだ。いずれも午後のセッションで記録したタイムだった。

■宮田莉朋のデイトナ24時間デビューは?

**木曜朝のセッションでは、マーカス・エリクソンの駆る10号車アキュラARX-06(ウェイン・テイラー・レーシング・ウィズ・アンドレッティ)がル・マン・シケイン(バスストップ)の進入でブレーキをロックさせ、タイヤバリアに接触したため赤旗が出された。NTTインディカー・シリーズのドライバーは車体の損傷を最小限に抑えながらクルマをピットに戻している。

**ピットレーンでもアクションがあり、プラット・ミラー・モータースポーツが運営する4号車シボレー・コルベットZ06 GT3.Rが小さな火災に見舞われた。この事件の後、チームは消火剤を片付けるための作業に追われた。

**4号車のトミー・ミルナーは「残念ながら今朝は火事のせいであまり走れなかった」とSportscar365に語った。「でも(姉妹車の)3号車はテストプログラムを続けることができた。最後に聞いたところでは、彼らが行った作業の一部を我々のマシンに投入しそれを加速させるという計画だったので、僕たちはそれほど後れを取っていないと思う」

**来季2024年はWEC世界耐久選手権でTOYOTA GAZOO Racingのリザーブドライバーを務めつつ、FIA F2とELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズに参戦するTGR WRCチャレンジドライバーの宮田莉朋は、午前中のセッションで12号車レクサスRC F GT3(バッサー・サリバン)で最初のラップを行い、その後2スティントの走行を完了した。

**レクサス・モータースポーツのシニアマネージャーを務めるジェフ・ボールは、Sportscar365から宮田のデイトナ参戦の可能性について尋ねられると、バッサー・サリバンは来週ドライバーラインアップを発表するつもりだと答えた。

**GTDプロクラスでチャンピオンとなった同チームの14号車レクサスRC F GT3は、このクラスで初めて4人のドライバーを起用するようだ。チャンピオンドライバーのジャック・ホークスワースと、同じく2023年王者で現在鈴鹿サーキットで行われている全日本スーパーフォーミュラ選手権の合同/ルーキーテストに参加しているベン・バーニコート、そしてインディカーの“エース”カイル・カークウッドがチャンピオンカーに乗ることが決定している。

■改良型アストンマーティンもデイトナで初走行

**ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのマネージング・ディレクターであるジョナサン・ディウグイドは、LMDhプラットフォームのレースデビューに先立って行われたIMSA公認テストから1年が経過した今週のテストは、GTPパドック全体がさまざまな問題を抱えていた昨年12月とはかなり雰囲気が異なると述べた。

**彼はSportscar365に次のように語った。「ピットレーンはすべてのLMDhマシンが片側に集められているため、ライバルたちを見渡すことができる。誰もが(昨年と比べて)はるかに落ち着いていて組織的に見える。彼らはクルマを走らせることに集中しており、もはやスクランブルはない」

**ハート・オブ・レーシングチームとマグナス・レーシングは、まだ名前が決まっていない改良型アストンマーティン・バンテージをデイトナで初走行させた。前者のチーム代表であるイアン・ジェームズは、既存のチームシャシーからアップグレードされたマシンであることをSportscar365に認めた。

**まだ発表されていないロードカーをモデルしたボディワークの変更以外、アップグレード範囲の詳細はわかっていない。

**ジェームズは「今までヨーロッパで少し走ったけど、いくつかの弱点は改善されているようだ」とSportscar365に語った。「また、ドライバビリティも少し良くなっている。ドライバー・インターフェースは一歩前進した」

**新たにゴールド・レーティング・ドライバーとなったロマン・デ・アンジェリスが27号車アストンマーティン(ハート・オブ・レーシングチーム)で2024年シーズンのGTDに参戦することが決まったが、ジェームズはスプリント・ラウンドでのコドライバーはまだ決まっていないと述べた。なお、ジェームズ自身はこのマシンでのスプリントレース参戦を断念している。

**ショーン・クリーチ・モータースポーツが走らせる33号車リジェJS P217・ギブソンは、元ARCブラティスラバのシャシーであることが理解されている。ブラティスラバ・チームはオレカに乗り換える以前、ヨーロッパとアジアのル・マン・シリーズ、そしてル・マン24時間レースにリジェのマシンで参戦していた。

■BoPを検証するためテスト車両を制限

**ウェザーテック・チャンピオンシップのエントリーリストは近日中に発表される予定だ。Sportscar365はデイトナ24時間のエントリーリストで確定していた中から少なくとも2台がフル参戦となり、フルシーズンのエントリーリストは50台に達すると理解している。

**8日(金)と9日(土)に行われるIMSAの“ターゲット・パフォーマンス・テスト”には合計14台のGTDプロカーとGTDカーが参加する予定だ。フェラーリ、メルセデスAMG、フォードを除く11のGT3メーカーが各社1台ずつマシンを提供することになっている一方、296 GT3、AMG GT3、マスタングGT3は複数台となる。

**このリストには以下のチームが含まれている。ポール・ミラー・レーシング(BMW)、アイアン・リンクス(ランボルギーニ)、トリアーシ・コンペティツィオーネ(フェラーリ)、ハート・オブ・レーシングチーム(アストンマーティン)、コルソフ/プレストン・モータースポーツ(メルセデスAMG)、ウインワード・レーシング(メルセデスAMG)、リシ・コンペティツィオーネ(フェラーリ)、ケリーモス・ウィズ・ライリー(ポルシェ)。

**金曜日に設定されている2回のセッションでは、ターゲット・パフォーマンス・テストカーと非対象車両が一緒に参加し、ターゲット・パフォーマンス・テストカーはつねにヘッドライトとテールライトを点灯して走行するよう指示されている。

**一方、土曜日の走行はターゲット・パフォーマンス・テストの指名車両のみ認められる。シリーズの運営団体は、指名車両がコンフィギュレーション検証のためにIMSAの技術検査センターを通過する間、さまざまなバランス・オブ・パフォーマンス(BoP:性能調整)パラメータで走行する規定のテスト車両プログラムへの「混乱を最小限に抑える」ことを目標としている。

**IMSAからSportscar365に提供された声明にはこうある。「明確な目標が設定され、IMSA、メーカー、チーム間の透明性が高まっているため、管理されたテストを通じて複数のパフォーマンスデータを収集することが可能になる。これは2024年ロア(オフシーズンの公式テスト)とデイトナ24時間レースのBoPを定義するために私たち協力することで、BoPプロセスの進化をさらに補完するものである」