レッドブルのモータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコは、2015年にトロロッソではマックス・フェルスタッペンとカルロス・サインツの間に有害な雰囲気が蔓延しており、ふたりのドライバーはともに成長することができなかったと述べている。

 フェルスタッペンとサインツは、2015年にトロロッソで一緒にF1デビューを果たした。しかし1年後、2016年シーズンの4レースが終わるとフェルスタッペンは羨望のレッドブルのシートに昇格し、移籍後の最初のレースであるスペインGPで見事なF1初勝利を収めた。またダニエル・リカルドもレッドブルにしっかりと定着したため、レッドブルにおけるサインツの見通しは非常に暗いものになった。

 そのためマルコは、2017年末および2018年末までルノーにサインツを貸し出すことに同意し、サインツはレッドブルとの契約から解放された。その後彼は2019年にマクラーレンに、そして2021年にフェラーリに移籍した。

「サインツは間違いなく素晴らしいドライバーだ。彼はトロロッソでマックスとほぼ同レベルだった」とマルコはスペインの『Marca』に語った。

「彼はマイナーカテゴリーでとても速かった。シルバーストンでの初めてのF1テストでは、当時我々の基準となっていたセバスチャン・ベッテルよりも、初めから高速コーナーでわずかに速かった」

「彼にとってまずかったことは、フェルスタッペンがチームメイトだという不運に見舞われたことだ。チーム内のふたりの間の雰囲気は、かなり毒のあるものだった。当時のチームの体制では、彼を引き留める方法が見当たらなかったので、カルロスはルノー、マクラーレンと移籍し、そしてフェラーリに行き着いた」

 興味深いことだが、マルコはサインツが有名なラリー界のレジェンドである父親のカルロス・サインツSr.の影から逃れるのに苦労してきたため、モータースポーツの世界で自分のアイデンティティを確立することが難しかったと考えている。

「長い間、カルロスは父親の影に隠れていた。彼はレーシングドライバーに甘やかされて育った息子、というイメージを不当に背負わされた。それどころか、常に前進するために戦わなければならなかった」

「サインツはフェルスタッペンとほぼ同じレベルだった……。しかし、マックスとカルロスのどちらかを選ばなければならなかったら、何をすべきかは明らかだった」