スクーデリア・フェラーリのチーム代表であるフレデリック・バスールは、シャルル・ルクレールとカルロス・サインツの契約をできるだけ早く延長したいと公言している。そうすれば、フェラーリは翌年も両方のドライバーがチームでドライブすることになるという確信を持って、2024年のスタートを切ることができる。

 しかし、「僕の夢はフェラーリで世界チャンピオンになること」と明言しているルクレールの契約更新が形式的なもので、スムーズに5年契約が締結されることが予想されている一方、サインツの交渉は双方が新しい契約の期間について合意できず、最近行き詰まりを見せているようだ。

 フェラーリに近い情報筋によると、イタリアのメーカーがサインツに提示しているオファーが2026年のオプション付きの1年契約であるのに対し、サインツ側は期間中に達成された特定の目標に応じた2027年のオプションを付加した、最低2年間の契約を主張しているという。

 チームメイトに非常に長期の契約が与えられているのに対し、もう一方のドライバーが1年契約しかもらえなかった場合、経営陣はもうひとりのドライバーよりも後者を低く評価しているということになる。この場合サインツが、自分がフェラーリの長期的な将来に必要とされていないと感じることは明らかだ。

■交渉決裂ならアルボンが2025年にウイリアムズからフェラーリへ!?

 2025年の終わりには、ランド・ノリス(マクラーレン)とジョージ・ラッセル(メルセデス)、アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)がドライバー市場に出ることになるため、バスールがルクレールの将来のチームメイトを自由に選びたいと考えることは理解できる。なお、ルイス・ハミルトン(メルセデス)も2025年に契約が切れるドライバーのひとりだが、ハミルトンは今年12年連続でメルセデスからスタートしようとしているため、彼がチームを離れる可能性は低いと見るべきだ。

 一方、サインツがF1での自分の将来を確保するために、他の場所を探すのも完全に理にかなったことだ。その候補のひとつとなるアウディは、明らかにサインツ獲得に関心を持っていると見られている。

 仮に彼がドイツメーカーに移籍したとすると、サインツは最初の数年間を犠牲にするかもしれない。それはアウディが競争力を高める前にザウバーの体制を構築する時間だ。しかし、アウディが競争力を持つようになる前に、自身を中心にチームを築くことができれば、チーム内の誰もが認めるリーダーになることも可能だろう。

 2024年の終わりにサインツを失う可能性があることから、バスールは2025年に向けて彼の後任を探す必要が出た場合に、どのような選択肢があるか検討するようになったが、ラッセルとノリスの契約をフェラーリが買い上げるのは高くつきすぎる。一方、アルボンであれば、彼の早期リリースのためにそれほど多額の費用を支払わなくても、ウイリアムズから引き抜くチャンスがわずかにあるかもしれない。

 このタイ人ドライバーが、ルクレールのように率直で政治的駆け引きに無関心なスポーツマンであるという事実は、難しい性格や複雑なマネジメント体制を持つドライバーと接することを嫌うバスールにとって非常に魅力的だ。そのため、サインツがフェラーリとの契約を延長しないことを選択した場合、バスールはアルボンを第一の選択肢にすると予想される。

 来月はすべての関係者にとって決定的な月となるだろう。サインツは、2月21〜23日にバーレーンで行われるプレシーズンテストの開始前に長期的な将来を決定したいと考えているため、2月中に彼の動きが発表されることが期待できるためだ。