言わずと知れた北米最高峰ストックカー、NASCARカップシリーズの2024年シーズンに向け、ナショナルシリーズでの最年少記録も保持するカズ・グラーラが変則的な“再挑戦”プログラムを公表した。シーズンの25戦でリック・ウェア・レーシング(RWR)の15号車を、そして開幕ラウンドの『デイトナ500』ではフロントロウ・モータースポーツ(FRM)の36号車で予選突破から決勝出場資格の獲得を目指す。

 自身が18歳だった2017年、そのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで当時のキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ開幕戦を制覇し、シリーズ史上最年少ウイナーの記録を打ち立てたグラーラだが、その後は3大ナショナルシリーズでのキャリアアップに苦心し、近年は散発的な参戦プログラムに留まってきた。

 そんなグラーラは2020年以来、カップシリーズで通算7戦に出場し、そのうち2度のトップ10入りを果たすなど若手有望株と目されてきたが、2022年に元プロボクサーのフロイド・メイウェザーJr.が所有するザ・マネー・チーム・レーシング(TMT)から3戦に出場して以来、カップのレースからは遠ざかっている。

「まずはデイトナ500に戻る機会を与えてくれたチームに感謝しなければならない」と、カップ通算7戦のうち2度のデイトナ出場を経験する25歳のグラーラ。

「予選は500にとって非常にユニークなもので、クルマを準備し、予選を通過し、晴れてレースに出場できるという、ドライバーにとってもチームにとっても精神的に厳しい挑戦だ。だけど僕らが所有するクルマが速いことはわかっている、なにせ最新のフォードだからね。これはデイトナ500での最高のチャンスのひとつだと感じているよ」と続けたグラーラ。

 昨季はサム・ハント・レーシングとともにNASCARエクスフィニティ・シリーズのフルシーズンを走った彼は、9回のトップ10入りを果たすもチャンピオンシップでは17位に終わっていた。その雪辱を期すべく、今季2024年のカップでは両プログラムともにNext-Gen規定のフォード・マスタング“ダークホース”カップカーをドライブする。

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「僕はNASCARの各レベルでまだ自分が弱者であることに気づいたが、その立場から逆襲し、必ずカップで成功できると感じている」と語ったグラーラ。

「リスタートやレースのファイナルラップでタイヤや機材に気を配り、マネジメントをしながらクルマの能力を最大限に引き出すことが重要であり、それが僕の強みだ。平日はチームと実際に関わり、プログラムを前進させるための次のステップに携わりたいと思っている」

「僕はすでにカップシリーズに数回出場する機会を得ているから、エクスフィニティからの飛躍がどれほど大きいかを知っている。カップにおける才能の層の厚さは計り知れない……。チームとドライバーの質の双方において、まさにアメリカ最高レベルのモータースポーツなんだ」

「それにカップカーに座っていると、他のどのレベルよりも多くの目が自分に注がれる。プレッシャーはさらに増しているけど、同時に年齢がひと桁だった頃からそれを現実にしようと努力してきたことを考えれば、日曜のレースにはより何か……もっと落ち着くものがあるようにも感じている」

「ドライバーとしては最高の選手たちと競争するという考えが大好きだし、僕は今年、目の前にある挑戦に最高に興奮しているよ」

 今季RWRから全25レースに出場する予定のグラーラだが、そのイベントスケジュールは発表されていない。ただ彼のシーズンはFRMとのデイトナを前に、2月4日に行われるエキシビジョン『ブッシュ・ライト・クラッシュ・アット・L.A.コロシアム』で幕を開ける。

「カズ・グラーラは才能があり粘り強いドライバーで、我々のレースチームに多くをもたらしてくれる」と、まとまった参戦数を確保してチャンスを提供したRWRチーム代表のリック・ウェア。

「彼は素晴らしい労働倫理を持っており、あらゆる機会を最大限に活用してきた。クルマの内外で我々のプログラムをより良くするのに役立つ人材であることは明らかだ」と続けたウェア代表。

「カズも我々の組織の重要な一員であり、ジャスティン・ハーレイを迎え入れたのと同じ理由で、彼もすぐに貢献できると感じている。カズは変化をもたらしたいと思っており、そして何よりもパフォーマンスを発揮したいと思っている。それこそが我々RWRの全員が持っている種類の意欲と決意なんだ」