1月26日、2024年WRC世界ラリー選手権の開幕戦『ラリー・モンテカルロ』が競技2日目を迎えた。SS3〜8まで計6本のスペシャルステージが行われたデイ2は、前日のデイ1をトップで終えたTOYOTA GAZOO Racing WRTのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が、タイム差を詰められながらも総合首位をキープしている。日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、SS3でコースアウトを喫して5分以上をロスしてしまい、首位から6分56秒差の総合12番手でラリー2日目を終えている。

 合計105.72kmとなる6本のスペシャルステージ(SS)で争われたラリー・モンテカルロのデイ2。競技初日のデイ1に行われたSS1、SS2は、ともにナイトステージであったため、この日のオープニングとなったSS3は、ランプポッドを必要としない日中に競い合う今大会最初のステージとなった。

 平地からスタートし、中盤から山間部に差し掛かるサン・レジェ・レ・メレーズ〜ラ・バティ・ヌーヴ間を閉鎖して行われたSS3は、この日最初の予期せぬ事態を招くこととなった。

 コース前半部分はクリーンなターマック(舗装路)が続くステージだったが、中盤に差し掛かる登り区間の7.7km地点で突如アイスバーンが出現。この凍結エリアに各ドライバーはそろって苦戦し、オット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)、グレゴワール・ミュンスター(フォード・プーマ・ラリー1)、勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)の3者はコントロールを失い、落輪を喫してしまった。


 各車は観客の助けも借りながら、無事コースに戻ってステージを完走することができたが、落輪してスタック状態となってしまった勝田は5分以上のタイムをロスし、SS3終了時点で総合19番手へとポジションを下げてしまう。ステージを終えた際には、「単なる僕のミスです」と自身にあきれる様子で口にした。

 困難なステージで幕が開けたデイ2最初のステージウイナーとなったのは、“魔のアイスバーン”地点で軽くリヤをヒットさせたティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)。首位エバンスと15.1秒差の総合2番手で競技二日目に入ったヌービルは、ポジションアップを目指して続くSS4でも健闘したが、後半セクションで痛恨のスピンに見舞われている。ステージ走破後、彼は「ペースノートにない砂利かなにかがあったみたいで、急にリヤのコントロールを失ってしまった」と、アタックの状況を振り返っている。

 そんなSS4、さらに続いたSS5で速さを披露したのは、トヨタのセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)だ。ラリーの拠点となるギャップの町を故郷とするシリーズ8冠王者は、今朝の2本目で今大会最初のステージウインを挙げると、さらに続くSS5でも2番手エバンスに11.2秒の差をつけて連続勝利。2023年のラリー・モンテカルロから続く“ホームラリー”連勝へ向けてギヤを上げ始めた模様だ。

 各車、午後のループに備えるために1度サービスパークへと戻り、迎えたSS6ではふたたびSS3と同じスタート地点に集結した。この日のオープニングステージと同じコースを辿るSS6だが、日も昇ったことでアイスバーンも半分以上が融けていた。それでも各車慎重に同エリアを通過しながら攻略。SS3でも勝利を収めたヌービルがSS6の最速タイムをマークしている。

 一度は不意を突かれた凍結路面を攻略した勝田は、公式のインタビューに「今のところ僕は、それほど攻めているわけではありません。慎重に走りながらどれだけ順位を上げられるか、様子を見てみたいと思いますが、僕は日曜日にフォーカスしています」とコメント。最終日一日のみの争いでポイントを得られる日曜日のラリーへ向けて、マシンとタイヤを温存する作戦にシフトしたようだ。

 SS4の再走ステージとなったSS7、午前中には虚を突かれるごとくスピンを喫したヌービルが挽回をかけて臨む。住居の間を縫う細道を抜け、つづら折りを駆け下りるステージをものにする走りを見せ、今大会3度目のステージウインを果たした。

 二日目最後のステージとなるSS8は大会通算9勝を誇るオジエが制し、ヌービルに並ぶこの日3回目のステージウインを飾っている。ラリー・モンテカルロ10勝目を狙う40歳は、デイ3だけで17.1秒を追い上げる走りを見せ、総合首位に立つチームメイトのエバンスとのタイム差を4.5秒にまで縮めた。

 また、デイ1時点では2台揃って5番手以下となっていたMスポーツ・フォードWRT陣営は、デイ2に入ってアドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1)がペースアップ。セットアップのアジャストに成功し、SS5では3番手タイムをマークしている。総合順位ではフルモーが5番手、グレゴワール・ミュンスター(フォード・プーマ・ラリー1)が7番手だ。

 WRC2勢は、シトロエンC3ラリー2に乗るニコライ・グリアジンがクラストップに浮上し、総合では8番手に。先行を許したスペイン出身のぺぺ・ロペス(シュコダ・ファビアRSラリー2)は1.3秒差をキープしており、ラリー後半にかけてまだまだ勝利の行方はわからない。

 27日(土)に行われるデイ3はSS9からSS14まで、合計120.4kmにて争われる。既報のとおり2024年シーズンはポイントシステムが大幅に変更されており、土曜日終了時点での総合順位に基づいて選手権ポイントが付与されることになっている。トップに与えられる最大18ポイントをどのクルーが奪うのか、上位勢の争いに注目したいところだ。