1月27日、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第1戦『ロレックス24・アット・デイトナ(デイトナ24時間レース)』の決勝がアメリカ・フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで始まった。

 レース折り返しとなる12時間経過時点では、ポールポジションからスタートしたアクション・エクスプレス・レーシング(ウェーレン・キャデラック・レーシング)の31号車キャデラックVシリーズ.R(ピポ・デラーニ/ジャック・エイトケン/トム・ブロンクビスト)が総合首位を走行しており、各クラスで僅差の戦いが続いている。

 2024年のウェザーテック選手権はLMP3クラスが廃され、GTP、LMP2、GTDプロ、GTDという4クラス構成となった。最高峰GTPクラスには昨年から引き続きアキュラ、BMW、キャデラック、ポルシェという4マニュファクチャラーのLMDh規定車両が参戦する。

 第2戦セブリング12時間以降のミシュラン・エンデュランス・カップ戦(セブリング、ワトキンス・グレン、インディアナポリス、ロード・アトランタ)では、これにランボルギーニの新型LMDh『ランボルギーニSC63』も加わる予定となっている。

 また、GTDプロおよびGTDクラスではこの開幕戦から、アストンマーティン、シボレー、フォードが新型もしくはアップデートされたGT3車両を投入。デイトナでは12号車レクサスRC F GT3(バッサー・サリバン)から宮田莉朋、21号車フェラーリ296 GT3(AFコルセ)からケイ・コッツォリーノと、2名の日本人ドライバーがGTDクラスへと参戦している。

 レース1週間前の1月19〜21日には公式テスト『ロア・ビフォア・ザ・ロレックス』(ロア=咆哮、うなりをあげるといった意)が開催され、この最終日に翌週の決勝レースのスターティンググリッドを決する予選が行われた。

 この予選で最速タイムを記録した31号車キャデラックVシリーズ.Rを先頭に、現地時間27日13時40分(日本時間28日3時40分)、第62回デイトナ24時間レースの決勝スタートが切られた。

■序盤、コンウェイのレクサスRC Fに悲運

 スタートでは予選3番手の7号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)が2番手へと浮上するが、すぐに01号車キャデラック(キャデラック・レーシング)がポジションを奪い返し、グリッドポジションどおりキャデラックのワン・ツーとなる。

 レースは最初の1時間から、波乱の展開を見せた。78号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evo2(フォルテ・レーシング)のクラッシュにより、早々にフルコースイエローが導入。

 さらにグリーンフラッグ後、LMP2の20号車オレカ07・ギブソン(ハイクラス・レーシング)がスピン、直後を走っていたGTDプロクラス首位の14号車レクサスRC F GT3(バッサー・サリバン)のマイク・コンウェイと接触してしまう。コンウェイの14号車はフロント部分を大破し、長時間の修復作業を強いられた。

 2時間経過直前には、LMP2クラスのTDSレーシング11号車オレカのスティーブン・トーマスがル・マン・シケイン出口で激しくクラッシュするなど、序盤から荒れる展開となった。

 GTPでは最初のイエローコーション中の一斉ピットストップで燃料補給量を減らした10号車アキュラARX-06(ウェイン・テイラー・レーシング・ウィズ・アンドレッティ)が1時間終了時点で首位に立つが、01号車が再逆転。その後もキャデラック、ポルシェ、BMWをまじえながら、接近戦の上位争いが展開されていく。

 5号車ポルシェ(プロトン・コンペティション)、6号車ポルシェ(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)はパワートレイン・パラメーターに関するペナルティを受けてタイムロスを喫するなか、レース全体の4分の1となる6時間経過時点では、コーションからのリスタートで31号車キャデラックをパスした7号車ポルシェが首位、GTPは10台全車が同一周回となっていた。

■アキュラARX-06の2台が相次いでストップ

 7時間すぎ、31号車キャデラックのピポ・デラーニが7号車ポルシェのジョセフ・ニューガーデンを1コーナーへの進入でパスし、首位を奪い返す。

 そして8時間が過ぎたところで、GTP車両に初めて大きなトラブルが発生する。キャデラック2台に続く3番手走行中だった10号車アキュラのフィリペ・アルバカーキがパワーを失い、ターン3のコース脇にマシンを止めてしまった。

 10号車は自力で再スタートを切ることができず、これにより8度目のフルコース・コーション導入となった。ガレージに戻された10号車は、長時間の修復ののち、大幅な遅れとともにコースへと戻っている。

 9時間経過を前に、01号車キャデラックのセバスチャン・ブルデーはパンクに見舞われる。ほぼコースを1周してピットにスロー走行で戻る必要があった01号車は、ラップダウンとなってしまう。

 このあとは7号車ポルシェが首位に立ち、レースは深夜帯へ。9時間半が経過するころ、40号車アキュラ(ウェイン・テイラー・レーシング・ウィズ・アンドレッティ)のジェンソン・バトンがGT車両と接触してスピンを喫する。

 11時間経過したところで、31号車のエイトケンが7号車キャメロンを1コーナーでオーバーテイクし、ポルシェから首位を奪い返した。

 その後に導入されたコーション中のピット作業では、BMW Mチーム RLLの2台のBMW Mハイブリッド V8が2&3番手に浮上するが、再開後には6号車ポルシェが2番手に立つ。

 12時間経過まであと13分ほどというところで、ルイ・デレトラズがステアリングを握っていた40号車アキュラのライトが突然消え、数時間前の10号車と同じようにパワーを失うと、5コーナー先でマシンを止めてしまう。数分後にリスタートを切ることはできたが、これで実質的なクラス最後尾である9番手に順位を落とし、ラップダウンとなってしまった。

 レースは11時間54分経過時点でリスタートが切られ、折り返しを迎えた。31号車キャデラック、6号車ポルシェ、25号車BMW、24号車BMW、7号車ポルシェという上位5台が、同一ラップで優勝争いを展開している。

■GTDでは宮田莉朋の12号車レクサスが上位を走行

 繰り返されるイエローコーションもあり、GTP以外のクラスでも接近戦の上位争いが続いている。

 全13台がエントリーしているLMP2クラスはリタイアする車両も増え、サバイバルの様相を呈してきているなか、レース折り返し時点でインターユーロポル・バイ・PR1/マティアセン・モータースポーツの52号車オレカがクラス首位に。

 2番手にはEraモータースポーツの18号車、3番手にクラウドストライク・レーシング・バイ・APRの04号車がつけている。

 13台のGT3車両でプロドライバーが争うGTDプロクラスは、リシ・コンペティツィオーネの62号車フェラーリ296 GT3がトップに立っている。背後には3号車シボレー・コルベットZ06 GT3.Rがつけ、3番手にはアイアン・リンクスの19号車ランボルギーニが続いている。

 最多台数の23台が競うGTDクラスでは、70号車マクラーレン720S GT3 Evo(インセプション・レーシング)がフィールドをリード。32号車メルセデスAMG GT3、47号車フェラーリ296 GT3(チェティラー・レーシング)が続いている。

 宮田莉朋の12号車RC F GT3(バッサー・サリバン)はGTDクラスの上位でレースを続けている。12時間経過時点では宮田がステアリングを握っており、クラス5番手を走行中だ。ケイ・コッツォリーノがラインアップに加わっている21号車フェラーリ296 GT3(AFコルセ)は、クラス9番手を走行している。

 現地はこのあと朝を迎え、28日の13時40分(日本時間29日3時40分)にフィニッシュを迎える予定となっている。

《追記》決勝後半レポートはこちら。https://www.as-web.jp/sports-car/1036109