フォード・パフォーマンスのグローバル・モータースポーツ・ディレクターであるマーク・ラッシュブルックは、1月27〜28日にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われた『ロレックス24・アット・デイトナ(デイトナ24時間レース)』にてデビューを飾った新型フォード・マスタングGT3について、「多くのことを学んだ」と語った。

 フォード・マルチマティック・モータースポーツがGTDプロクラスにエントリーした2台のマスタングGT3のうち、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の開幕戦を無事に戦い抜いたのは、ハリー・ティンクネル、マイク・ロッケンフェラー、クリストファー・ミースがドライブした64号車のみだった。彼らのマシンはクラス6位でフィニッシュしている。

 64号車はファクトリーカーのペアを悩ませたリヤボディワークの問題によって出遅れた。同車はティンクネルがドライブしていた夜間に4号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(コルベット・レーシング・バイ・プラットミラー・モータースポーツ)に追突され、この影響でディフューザーにダメージを負って6周を失ってしまった。

 一方、ジョーイ・ハンドとディルク・ミューラー、フレデリック・バービシュが乗り込んだ姉妹車の65号車は、レース終盤にメカニカルトラブルによってリタイアを喫した。

「私たちは間違いなく、多くのことを学んだ」とラッシュブルックはレース後にSportscar365に語った。

「IMSAは1年でもっとも大きなレースで開幕を迎える。新車でこのようなシーズンをスタートするのはここだけだ。我々は2016年にフォードGTで同じことを経験をした」

「我々は(マスタングGT3)での課題を理解しており、それを解決するためのいくつかのアイデアもある。やるべきことはあるけれど、みんなで力を合わせて問題に対処し、今後のレースに臨むつもりだ」

「このチームが対処できないことは何もない。2016年も私たちは最初のレースで多くのことを学び、それに取り組んだあとシーズンの後半にはラグナ・セカと(WEC世界耐久選手権の一戦である)ル・マンで優勝した」

「我々がふたたび同じことができない理由はない」

 マスタングGT3のパフォーマンスについてコメントを求められたラッシュブルックは、次のように答えた。「ドライバーたちは、ハンドリングとバランスにとても満足していた」

「BoP(バランス・オブ・パフォーマンス/性能調整)はBoPであり、私はそのカードを使いたくはないが、いくつかの問題が発生するまでは、争いに加わっていた」

■デビュー戦を「誇りに思う」とティンクネル

 マルチマチックのドライバーであるティンクネルは、GTDプロクラスで優勝したリシ・コンペティツィオーネの62号車フェラーリ296 GT3にはつねに手が届かなかったと認めながらも、デビュー戦でのマスタングGT3のパフォーマンス、とくにレース序盤の走りに満足感を示している。

「スタートはとても良かった」と彼はSportscar365に語った。「僕たちはコース上で最速のクルマだったし、ペースでもレースをリードしていた。テストからレースまで、また一歩前進できたと思う」

「僕たちはスタートから全力で走り、他のマシンはどんどん速くなっていったように見えた。すべてを出し切ったことを誇りに思うし、タイムにもそれが反映されていると思う」

「僕たちはここで多くのことを学んだ。ディフューザーの小さな問題さえなければ、このクルマはとても信頼性の高い走りをしていた」

「昨年のポルシェ911 GT3 Rは(デイトナで)かなり苦戦したが、彼らはセブリングで優勝した。だから自信はあるし、そこでBoPの調整もあるかもしれない」

「セブリングでは多くのテストをこなしたから、僕たちはいいベースを持っていると思うし、そこに楽観的に行けると思う」

 64号車のディフューザーにダメージを与えた接触について、ティンクネルは次のように語っている。

「後ろから(アール・)バンバーにタップを受けた。ターン6に進入するときにチェックされたんだ。接触した角度が悪くて、ディフューザーを傷つけてしまった」

「また、55号車マスタングGT3(プロトン・コンペティション・フォード)のディフューザーも損傷してしまった。僕たちはあそこで6周を失い、最終的には7周遅れだったと思う」

「(この事件がなければ)おそらくクラス4位になっていただろうし、そうなればプログラムとしてはメガ・スタートだったと思う。しかし、最後のパフォーマンスの差は大きすぎた」

「セブリングでは、もう少しペースを上げていけることを願っているよ」