1月25日(木)からモナコ公国とフランスにて開催された、2024年WRC世界ラリー選手権第1戦『ラリー・モンテカルロ』が28日(日)に閉幕し、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)から参戦するセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が2位、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が3位を獲得した。

 そして日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、デイ2のSS3にてスタックした影響で5分以上のタイムを失い、一時総合19番手まで順位を下げたが、その後デイ3、デイ4で着々と挽回し、最終的に総合7位でラリーを完走した。

 また、今大会がWRC2クラスデビューとなったトヨタGRヤリス・ラリー2勢は、フランス人ペアのステファン・ルフェーブル/アンディ・マルフォイ組がクラス5位/総合13位で初戦を終えている。なお、非WRC2ノミネートでのエントリーとなったサミ・パヤリ/エンニ・マルコネン組(トヨタGRヤリス・ラリー2)が総合12位でルフェーブル組を上回った。

 WRCイベント後に毎戦コメントを寄せているTGR-WRTの豊田章男会長は、今大会の開催とともにモナコで初披露された進化型GRヤリスの特別仕様車『セバスチャン・オジエ・エディション』と『カッレ・ロバンペラ・エディション』の発表と、トヨタGRヤリス・ラリー2のWRC初参戦にも触れ、2024年開幕戦を終えた想いを綴っている。

 そんな豊田会長のWRCラリー・モンテカルロ後のコメント全文は以下のとおりだ。

* * * * * * *

WRC第1戦ラリー・モンテカルロ
豊田章男 TGR-WRT会長コメント

 8回目のシーズンスタートはTOYOTA GAZOO Racing WRTにとって新たな一歩となりました。

 9年前、私はみなさまの前でWRC再参戦を宣言しました。そのときの言葉は「お客様が“日常使う道”を舞台に“日常使う市販車”をベースとしたクルマで争われるラリーは、ヒトとクルマを鍛え上げるためには最適な舞台。もっといいクルマをつくるため、多くの方々に笑顔になっていただくため、WRCの道にふたたび戻らせていただきたい」

 今回、7シーズンを経て、“お客様に笑顔になっていただくクルマ”を、さらにふたつ提供させていただくことができました。

 ひとつはチャンピオンエディションの2台、『セバスチャン・オジエ・エディション』と『カッレ・ロバンペラ・エディション』です。単なる記念モデルではありません。ふたりのチャンピオンが開発に入り込み、彼らの求める味を実現したモデルです。

 カッレのクルマは私も大好きなドーナツ味も楽しめるとのこと。私も一度、試食してみたいと思っています。セブのクルマには、なぜか“MORIZOモード”がついています。開発中にセブが行きついた味付けが、私の味付けと同じだったので、セブの計らいでチャンピオンのクルマに私の名前も乗せてもらえることとなりました。セブありがとう。

 もうひとつは『ラリー2』です。初の実戦となるラリー・モンテカルロで、4組のお客様が乗ってくださいました。実力が示されていない未知数のクルマで、さっそく挑戦いただいた4組のチームのみなさまに心から感謝いたします。

 日本の第1号車の納車先は“普通のクルマ好きおじさん”です。まだ納車はされておりませんが、モリゾウもまず乗ってみて、改善点がないかなど試してみたいと思います。その後そのクルマは、国内のカスタマーに貸し出して全日本ラリー選手権に参戦してもらう予定です。ラリー2をWRCや全日本ラリー選手権に間に合わせるため、フィンランドのメンバー達は大変な努力をしてくれていると聞いています。

 まずは、デビュー戦となったラリー・モンテカルロで4台すべてが完走できて安心しました。クルマそのものも、サポート体制も、これから改善させ続けていかなければ、お客様に選ばれるクルマにはなっていきません。今回がスタートです。チームの皆さん、よろしくお願いします。

 TOYOTA GAZOO Racingにとって、WRCはただ勝てばいいというものではありません。「もっといいクルマをつくるため、多くの方々に笑顔になっていただくため」の参戦です。これまでの85回の喜びや悔しさが、今回も“お客様の乗るクルマ”に結びつきました。本当に大きな一歩です。その一歩を優勝で飾ることはできませんでしたが、3台のラリー1と4台のラリー2の走りを、確実に次のラリーにつなげ、2024シーズンも最高の1年にできるよう、チーム全員で努力を続けていきましょう。ヤリ-マティ(・ラトバラ/チーム代表)、今年もよろしく頼みます!

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team会長
豊田章男