1月28日(日)、WRC世界ラリー選手権開幕戦『ラリー・モンテカルロ』のデイ4が行われ、ヒョンデ・シェル・モービスWRTのティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ組(ヒョンデi20 Nラリー1)が、総合優勝を飾った。2位には、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1)、3位にはエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が入り、トヨタから参戦したふた組のペアが表彰台を獲得した。

 また、日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、デイ2のSS3にてスタックした影響で5分以上のタイムを失い、一時は総合19番手まで順位を下げたが、その後デイ3、デイ4で着々と挽回し、最終的に総合7位でラリーを完走した。TGR-WRTは、3組の獲得したポイントの合計でマニュファクチャラー選手権首位に立っている。

『ラリー・モンテカルロ』の最終日は、フランス・ギャップのサービスパークを出発した後、SS15として今大会3回目となる『ラ・ブレオル/セロネ』のステージを走行。続いて、SS16『ディーニュ=レ=バン/ショドン=ノラント』、有名なチュリニ峠を含むSS17『ラ・ボレーヌ=ベジュビー/コル・デ・チュリニ』という3本のステージ、合計52.12kmで争われた。

 路面コンディションは、最終日も全体的にドライが大半を占めたが、所々に濡れているところもあり、凍結路面や霜で覆われているエリアもあった。

 デイ3で総合首位となったヒョンデのヌービル/ウィダグ組と、わずか3.3秒差の総合2番手につけていたオジエは、逆転優勝を目指してデイ4に臨んだ。オープニングのSS15と、最終のSS17では、2番手タイムを記録するなど最後まで全力を尽くしたが、逆転は叶わず。16.1秒差の総合2位で自身15回目のラリーを終えた。

 また、総合3番手につけていたエバンス/マーティン組は、日曜日単独でのポイント獲得に集中し、SS16では2番手タイムを記録。総合順位は3位と変わらずも、日曜日のみの総合順位“スーパーサンデー”では2番手となり5ポイントを獲得している。

 そして、金曜日のアクシデントから着実に順位を取り戻し、前日のデイ3終了時点で総合7番手まで上がっていた勝田は、パワーステージとなった最終SS17で3番手タイムを刻む走りを披露してラリーを締めくくった。

■2-3位表彰台獲得でマニュファクチャラー選手権首位に

 2024年シーズンから導入されたポイントシステムでは、土曜日までの総合順位と日曜日のみの総合順位とで、それぞれドライバーとコドライバー、マニュファクチャラーに付与されるポイントが決まる。

 オジエは土曜日終了時点での総合2番手に対する15ポイント、日曜日のみの合計タイムが3番手だったことによる5ポイント、そしてパワーステージでの2番手タイムによる4ポイントと、合計24ポイントを獲得した。

 エバンスは土曜日の総合3番手で13ポイント、日曜日の合計タイムが2番手となり6ポイント、パワーステージでの4番手タイムによる2ポイントと、合計21ポイントを得た。そして勝田は、土曜日が総合7番手4ポイント、日曜日が6番手で2ポイント、パワーステージで3番手タイムを記録し3ポイントの合計9ポイントを獲得している。

 マニュファクチャラーとしては、TGR-WRTはオジエとエバンスの土曜日までの総合順位によるポイントと、日曜日単独でのポイントにより39ポイントを獲得。それに、パワーステージで2番手タイムのオジエと3番手タイムの勝田が獲得した7ポイントを加え、合計46ポイントとなりマニュファクチャラー選手権のトップに立っている。

 2024年シーズンの開幕戦で2位と3位表彰台を獲得し、後半の勝田の活躍も助けてマニュファクチャラー選手権首位に立ったTGR-WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表は「シーズンのスタートとしては、全体的に良い週末となった」と、ラリー全体を振り返った。

「もちろん序盤はラリーをリードしていたし、すべてがうまく進んでいるように見えていた。しかし、後半に入るにつれて状況が変わり、最終日はなんとか挽回して勝利を手にしたいと願っていた」

「セブ(セバスチャン・オジエ)はできることをすべてやってくれたと思うが、ティエリー(・ヌービル)はドライバーとしてさらに上のレベルの走りだったね。彼らの戦いは、誰もが興奮するような素晴らしいものであり、最終的にはチームとして多くのマニュファクチャラーズポイントを獲得することができた」

「また、エルフィン(・エバンス)もこの週末は素晴らしいペースと自信に満ちた走りを見せてくれた。最終的には多くのポイントを持ち帰るために、クレバーな戦いをしたと思う」

 今回の『ラリー・モンテカルロ』でWRCにデビューしたトヨタGRヤリス・ラリー2は、4台のエントリー車両すべてがラリーの全ステージを走破。そのうちサミ・パヤリ/エンニ・マルコネン組(プリント・スポーツ)が総合12位、RC2クラス5位でフィニッシュしている。

 WRC第2戦は、北欧スウェーデンの北部で開催される第2戦『ラリー・スウェーデン』。雪と氷に覆われた森林地帯の未舗装路が舞台となるこのラリーは、今シーズン唯一のフルスノーラリーだ。2022年大会からは、安定した積雪が見込める北部のウメオに拠点を移動し、新たなるラリーとして再出発している。

 ステージは基本的にすべて積雪路となり、金属製のスタッド(スパイク)が埋め込まれた雪道専用のスタッドタイヤで走ることで、とても高いグリップで積雪路をアタックする。そのため平均速度は非常に高く、例年WRCの全イベントのなかでも3本の指に入る超高速ラリーとなる。次戦は、2022年、2023年シーズンでチャンピオンを獲得しているカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組も参戦を予定しており、2023年大会の最高ポジション4位を上回る活躍に期待がかかる。同イベントは3週間後の2月15日(木)から18日(日)にかけて開催される予定だ。