南半球を代表するTCR国内選手権、TCRオーストラリア・シリーズで新たなシリーズチャンピオンに輝いたジョシュ・バカンが、所属先であるHMOカスタマー・レーシングとの2年契約延長をアナウンス。引き続きヒョンデ・エラントラN TCRで「タイトル防衛を目指す」ことを表明した。

 また古豪ギャリー・ロジャース・モータースポーツ(GRM)や、昨季『TCRワールドツアー』にもチャレンジしたベン・バルグワナ擁するプジョー陣営は、年度後半にも新型モデルの投入を予告。さらに2022年王者としてFL5型ホンダ・シビック・タイプR TCRの投入を決めているトニー・ダルベルトのウォール・レーシングを始め、複数チームのジョイント体制を採るアウディ陣営など、シリーズに参戦するチームが続々とラインアップを固めている。

 昨季は6回の表彰台を含む2勝を飾り、自身初のシリーズタイトルを獲得したバカンは、新たな契約延長の合意に際し「10年以上も関わってきた情熱と喜びを感じるブランドと、こうして2年契約を結ぶことができてとても興奮している」と新年度に向けた意気込みを語った。

「何よりもまず、すべてのドライバーはレースの機会を得ることを夢見ているが、複数年契約で長期間にわたる雇用の安定を手に入れることは、心の平安だけでなくチームの一貫性にとっても信じられないほど素晴らしいことさ」と続けた新王者。

「僕らは仕事に没頭し、レースやタイトルを防衛することに集中できる。もちろんタイトル獲得が役に立ったが、これは僕が彼らと継続してきた数年間の忠誠心と、バックグラウンドで行った努力の量の集大成だ」

「初日からヒョンデとは居心地が良く、それは僕の目には成功した関係だと写っている。彼らを代表することは大変光栄なことだし、僕がそれに適任であると感じているよ」

 一方、今季もメインチームとして2台のプジョー308 TCRを投入するGRMは、残留するジェームス・キャメロンの僚友として、新たに“トヨタ86シリーズ・オーストラリア”の新チャンピオンに輝いたライアン・カシャを起用する。

「アーロン・キャメロンという定評あるチームメイトとともに、今季GRMファミリーに加わることができてうれしく思っているよ」と、シリーズ昇格の喜びを語った19歳。

「プジョーは昨年のトヨタ86とは対照的なほど大きくかけ離れているが、僕はアーロンとチームに関して自由に使える豊富な知識を共有しており、それはシーズンが進むにつれ非常に有益であることが証明されだろうね」

 改めて、GRMのエース格としてチームを牽引するキャメロンは、昨季は総合4位で終えたチャンピオンシップで3年目のシーズンをスタートする。

「もう1シーズン、GRMやバルボリンとともに戻ってくることができてうれしい。僕らは2023年の終盤戦までチャンピオン争いに加わっていたからね」と意欲を示したキャメロン。

■アウディ陣営トップカスタマーのMPCは新体制に
 ふたりは2023年に走らせた2台の機材で新シーズンをスタートするが、フランス本国プジョースポールの開発連携先として契約を結ぶGRMは、2024年シーズン後半にも新世代の308 TCRを導入する計画を立てている。

「新しいプジョーがシーズン中に登場する予定になっているし、新世代のTCRカーで競争できることを本当に楽しみにしている」

 その新型TCR車両をドライブする予定のもうひとりであるベン・バルグワナも、GRMが用意した先代プジョーで4年目の開幕戦を迎える。

「今年は大きな年になるだろう。シーズンへの取り組み方は例年とは大きく異なるし、新型プジョーが登場するまで(現行TCRモデルで)ポイントを最大化することが重要になる。新型308 TCRが登場すれば、年末のタイトル争いに向けて最大限に活用できるはずだからね」と、昨年は3度の表彰台獲得で総合7位に終わっていたバルグワナ。

 その2023年は序盤の欧州ラウンドと終盤の地元戦、そして最終戦マカオのTCRワールドツアーにも挑戦した22歳は、今季もその可能性を「排除しない」と続ける。

「現時点ではオーストラリアに焦点を当てているが、海外で何かを実現できれば素晴らしいこと。その機会を掴むために全力を尽くすよ」

 さらにアウディ陣営のトップカスタマーとして参戦してきたメルボルン・パフォーマンス・センター(MPC)は、インドネシアのBRMモータースポーツや、昨季4度の表彰台獲得でランク10位を記録したザック・スーターの家族チームらとジョイントし、新たにタフリスト・レーシングとしてアウディRS3 LMS 2の2台体制を敷く。

「僕自身と僕のレース活動に対するタフリフト・ホイストのサポート継続を発表できるだけでなく、新たにグレン・ニルワンをファミリーに迎えることができてとても興奮している。2台体制のチームの一員になれるのは本当に夢が叶ったよう。2台のアウディがグリッドに並ぶのを見るのが待ち切れないね」と、新たにインドネシア出身ドライバーを招聘したスーター。

 そのニルワンは、故郷インドネシアのラリーやサーキットで活動を続けており、今季TCRデビューを飾る。

「TCRオーストラリアにデビューできるなんて夢のようだ。昨季の終わりにチーム・ソーター・モータースポーツが僕に協力を申し出てきたときは驚いたし、本当に光栄だった。僕はブリスベンに12年間住んでいたから、正直に言うと故郷に帰ってきたような気分さ。ただ頭をまっすぐにして、できるだけ早く適応し、チームメイトから学びたいと思っている」

 さらにアウディ陣営としては新規参戦の99モータースポーツが、第一世代のアウディRS3 LMSでチーム所有者のマーカス・ラデルが参戦。ホンダ陣営のウォール・レーシングは、先代シビックRの2台をブラッドとウィルのハリス兄弟に託すことを決めている。