かつてWRC世界ラリー選手権でフォードの活動にも携わり、移籍先のフォルクスワーゲンでは新規参戦の組織を率いて“ダブルタイトル4連覇”を成し遂げたヨースト・カピートが、北米発のエクストリーム系ラリークロス選手権『Nitrocross(ナイトロクロス)』のシニアアドバイザーとして加わることが発表された。

 ラリー界で覇権を手にしたのち、F1にも進出しマクラーレンやウイリアムズでCEOや代表職を歴任したカピートは、現時点ですでにシリーズに参画しており、コンソーシアムからの投資を受け拡大を続けるシリーズにて、スポーツビジョンの実現を支援する責任を負うことになる。

 この動きは、2022年より運営親会社であるスリル・ワンに合流したアメリカの総合格闘技団体『UFC』のCEO兼社長であるデイナ・ホワイトの意向が反映されているという。

「ラリークロスと強力でエキサイティングなEVが登場する未来に対し、私の強い信念が、このナイトロクロスに貢献する動機となっている」と、まずは要職就任の挨拶を述べたカピート。

「ロレンゾ・フェティータ(元UFC最高経営責任者、起業家、投資家)やデイナ・ホワイトと話した後、私たちの共同ビジョンはモータースポーツの限界を押し広げるだけでなく、競争とイノベーションの新時代を刺激することであると確信した」

 そのカピートは、パートナーシップ責任者として加わる元NASCAR幹部のマイク・ラヘタと同時に迎えられ、ラヘタはNASCARでの10年間の在職中にCraftsman(クラフトマン)をNASCARトラック・シリーズのタイトルスポンサーに復帰させるうえで重要な役割を果たした。また、昨季初開催を実現したカップシリーズのシカゴ・ストリートレースでは、イベント週末の収益創出を主導する立場として辣腕を振るっている。

■ナイトロクロスは「若い視聴者がスポーツを楽しみたいと思う方法に最適」
 昨季2023年よりNitroRX改めナイトロクロスへとリブランドしたシリーズは、ラリークロスのルーツを超え「モータースポーツの他のどの分野にも類を見ない、独自に成長したダイナミックなカテゴリー」を目指すと宣言。創設2年目で本格的なグローバル選手権への成長を目指し、イギリスや北欧への展開も進めてきた。

 すでにSNS(ソーシャルメディア)上ではWorldRX世界ラリークロス選手権やエクストリームE、そしてABB FIAフォーミュラE世界選手権を合わせたよりも大きな成長をもたらしており、改めてラヘタは、ミレニアル世代とZ世代の人口統計におけるブランド間のパートナーシップの拡大を担当する。

「このナイトロクロスは、若い視聴者がスポーツを楽しみたいと思う方法に最適なフォーマットだ」と続けたラヘタ。

「熱心なレースファンの興味を満たしながら、同時に新たな視聴者を惹きつける態勢がこれほど整っている環境は珍しい。それがナイトロクロスとそのファン、パートナーにとって何を意味するのか。本当に楽しみにしているよ」

 シリーズ創設者兼初代シリーズチャンピオンのトラビス・パストラーナ(バーモント・スポーツカー)と協業し、最高出力1080PS(800kW)、0〜100km/h加速約1.4秒というフル電動ワンメイクEVの専用モデル『FC1-X』の導入を実現させたシリーズゼネラルマネージャーのチップ・パンコウは、カピートとラヘタの契約に際し「我々はモータースポーツのルールを書き換えているだけではなく、ルールを粉砕しているのだ」と、その“アティテュード”を示す。

「我々は新しいファンとつながり、新しいファンを惹きつけるための最先端の方法を絶え間なく追求している。すべてはコンテンツ、ストーリーテリング、配信から物語が始まるんだ」と続けたパンコウ。

「こうした戦略により、当社はソーシャルメディア上で最も急速に成長しているモータースポーツ分野になった。我々はこの勢いを継続し、チーム、ドライバー、パートナーが、この新世代のスポーツファンとつながるのを支援できることを楽しみにしている」